北海道旭川市にある旭山動物園は、動物本来の行動や能力を引き出す「行動展示」の元祖として知られ、国内トップクラスの来園者数を誇る動物園です。
ホッキョクグマの泳ぐ姿を見上げられるカプセル型のドームや、アザラシが円柱形の水槽を上下に泳ぎ抜ける「マリンウェイ」など。
いきいきとした姿を間近で観察できる展示の中に様々な種類の動物たちが暮らしています。
この記事では、旭山動物園で飼育されている動物を「珍しさ」(国内で何施設くらいで飼育されているか)で分類してまとめました。
エゾヒグマやエゾユキウサギなど、北海道の自然の中で暮らす動物たちをまとまった形で紹介しているのも、この動物園ならではの特徴です。
見どころや効率よく回るポイントも紹介するので、訪問前の下調べに役立ててください。
旭山動物園にいる動物一覧
旭山動物園は約100種類の動物を飼育しています。
その中から、公式サイトの「動物図録」ページで紹介されている動物について、「珍しさ」の観点から3段階に分類してまとめました。
- ★★★
-
飼育している動物園が10か所未満
- ★★☆
-
飼育している動物園が30か所未満
- ★☆☆
-
飼育している動物園が30か所以上
※日本国内に限る
※水族館は除く
飼育している動物園数は、日本動物園水族館協会の「飼育動物検索」の検索結果をベースに、独自の調査結果も踏まえて記載しました。個人での調査のため、情報に不正確な点がある可能性もあります。来園前に必ず公式サイトで飼育・展示状況をご確認ください。
なお、アザラシやペンギンなどは水族館での飼育例が多い動物であっても、「動物園だけ」の施設数に基づいて珍しさを分類しています。
※2026年9月時点の情報
※動物名の五十音順で記載
【★★★】とても珍しい動物
国内では旭山動物園を含むごく一部の動物園でしか会えない、非常に珍しい動物たちを一覧で紹介します。
中でも、エゾユキウサギやエゾクロテンなど北海道にしかすまない動物たちは、国内でもこの動物園を含むごく一部の施設でしか会えない貴重な存在です。
| アムールヒョウ | 国内8園ほどで飼育。ヒョウの亜種の中でも野生での生息数が非常に少なく、世界的に絶滅が心配されている。 |
|---|---|
| イワトビペンギン | 国内4園ほどで飼育(水族館と合わせて10施設ほど)。頭の両側に伸びる黄色い飾り羽と、跳ねるように移動する姿が特徴。 |
| エゾクロテン | 国内2園で飼育。北海道に生息するテンの亜種。夏はこげ茶色だが、冬になると毛色が明るいクリーム色に変わる。 |
| エゾシカ | 国内5園ほどで飼育。北海道に生息するシカの亜種で、本州のニホンジカよりも体が大きい。 |
| エゾタヌキ | 国内3園で飼育。北海道に生息するタヌキの亜種。冬の厳しい寒さに耐えるためにモフモフの冬毛が生える。 |
| エゾフクロウ | 国内6園ほどで飼育。北海道に生息するフクロウの亜種で、丸い顔と大きな黒目が特徴。 |
| エゾモモンガ | 国内3園で飼育。北海道に生息するモモンガの亜種。つぶらな瞳と、ふわふわのコロンとしたフォルムで人気。 |
| エゾユキウサギ | 国内5園で飼育。北海道に生息するノウサギの仲間。夏は茶色、冬は真っ白に毛が生え変わる。 |
| エゾリス | 国内3園ほどで飼育。北海道に生息するリスの亜種で、耳の先の飾り毛が目立つ。 |
| オオハクチョウ | 国内6園ほどで飼育。冬に日本へ渡ってくる大型のハクチョウ。 |
| キタキツネ | 国内5施設ほどで飼育。北海道に広く生息するキツネの亜種。 |
| キングペンギン | 国内3園ほどで飼育(水族館と合わせて10施設ほど)。コウテイペンギンに次ぐ大きさで、胸元の鮮やかなオレンジ色が目を引く。「オウサマペンギン」とも呼ばれる。 |
| キョン | 国内7園ほどで飼育。中国原産の小型のシカで、日本では特定外来生物に指定されている。 |
| クマタカ | 国内7園で飼育。日本の山地にすむ大型のワシタカで、「森の王者」と呼ばれる。 |
| シマフクロウ | 国内6園ほどで飼育。国の天然記念物に指定される大型のフクロウ。生息数の減少が深刻で、保護の取り組みが続けられている。 |
| シンリンオオカミ | 国内8園ほどで飼育。北米に生息するオオカミの亜種で、群れをつくって狩りを行う。 |
| ジェンツーペンギン | 国内4園ほどで飼育(水族館と合わせて15施設ほど)。ペンギンの中では泳ぐスピードが最も速いとされる。 |
| トナカイ | 国内6園ほどで飼育。オスとメスの両方に角が生える、数少ないシカ科の動物。 |
| マヌルネコ | 国内9園で飼育。モフモフの体とカクカクした独特の動きが特徴の野生ネコ。 |
| ユキヒョウ | 国内8園ほどで飼育。標高の高い山岳地帯にすみ、厚い体毛と長い尾で寒さと岩場でのバランスに対応している。 |
【★★☆】やや珍しい動物
| アビシニアコロブス | 国内10園以上で飼育。白と黒の長い体毛が特徴のアフリカのサル。赤ちゃんは全身が白い。 |
|---|---|
| アムールトラ | 国内20園以上で飼育。トラの亜種の中で最も体が大きく、寒冷地に適応した厚い体毛を持つ。 |
| アライグマ | 国内10園以上で飼育。北米原産で、日本では特定外来生物に指定されている。器用な前足で物をつかむのが得意。 |
| エゾヒグマ | 国内10園以上で飼育。北海道に生息するヒグマの亜種で、国内最大級の陸上肉食獣。 |
| オオワシ | 国内10園以上で飼育。大型のワシで黄色く大きなくちばしが目立つ。 |
| オジロワシ | 国内10園以上で飼育。翼を広げると2mを超える大型のワシで、名前の通り尾羽が白い。 |
| カバ | 国内20園以上で飼育。一日の大半を水中で過ごす大型草食獣。 |
| キンクロハジロ | 国内10園以上で飼育。頭に房状の飾り羽をもつ、冬に日本へ渡ってくる小型のカモ。 |
| ゴマフアザラシ | 国内10園以上で飼育(水族館と合わせて40施設以上)。体にゴマを振ったような斑点模様があるのが名前の由来。 |
| シロテテナガザル | 国内20園以上で飼育。長い腕で枝から枝へと移動するテナガザル。よく響く声で鳴く。 |
| ジェフロイクモザル | 国内20園以上で飼育。長い手足と尾を使って木々を渡るサル。尾で枝をつかめる。 |
| ダチョウ | 国内20園以上で飼育。現存する鳥類の中で最大の種。飛べないが、時速60kmほどで走ることができる。 |
| ブラッザグエノン | 国内20園以上で飼育。白いあごひげとオレンジ色の額が特徴のアフリカのサル。 |
| ホッキョクグマ | 国内10園以上で飼育。世界最大級の陸生肉食獣。 |
| ボルネオオランウータン | 国内10園以上で飼育。長い腕を器用に使い、樹上でくらす大型の類人猿。 |
【★☆☆】比較的会いやすい動物
| アオダイショウ | 日本各地でよく見かける青緑色のヘビ。 |
|---|---|
| アミメキリン | 動物園で飼育されるキリンの多くがこの亜種。網目のような斑紋が全身を覆う。 |
| インドクジャク | オスは青緑色の羽と目玉模様の飾り羽を持つ鳥。 |
| カピバラ | 国内で非常に人気が高く、多くの動物園で飼育されている。ずんぐりした体と丸い顔が特徴の、世界最大のネズミの仲間。 |
| シセンレッサーパンダ | 日本の動物園にいるレッサーパンダはほとんどこのシセンレッサーパンダ。鮮やかな赤茶色の体としましま模様の尻尾が特徴。 |
| シロフクロウ | 北極圏にすむ真っ白なフクロウ。『ハリー・ポッター』シリーズに登場する「ヘドウィグ」はこの種。 |
| タンチョウ | 国の特別天然記念物に指定される大型のツル。 |
| チリーフラミンゴ | 白に近い薄いピンク色の羽と、赤く目立つ脚の関節が特徴。 |
| チンパンジー | 国内の多くの動物園で飼育されている、ヒトに最も近いとされる大型類人猿。 |
| ニホンザル | 日本各地の森にすむサル。 |
| フンボルトペンギン | 国内で多くの動物園・水族館で飼育される代表的なペンギン。他の種に比べて温暖な気候にも適応できる。 |
| ベニイロフラミンゴ | フラミンゴの中で最も赤みの強い羽色を持つ。 |
| ヨーロッパフラミンゴ | フラミンゴの中で最も体が大きい種。全身が白っぽいピンク色をしている。 |
| ライオン | 「百獣の王」と呼ばれ、群れ(プライド)で暮らす。 |
| ワオキツネザル | しっぽの白黒の輪模様(=輪尾⇒ワオ)が特徴のサルの仲間。 |
旭山動物園ならではの展示・珍しい動物
旭山動物園には、動物本来の生き生きとした姿を見せる「行動展示」の考え方にもとづいた、他の動物園にはない個性的な展示がいくつもあります。
ここでは、そんな工夫を凝らした展示の中からホッキョクグマやゴマフアザラシなど人気の動物を何種類かピックアップして紹介します。
また、「北海道ならでは」の動物を数多く飼育しているのも旭山動物園の特徴です。他の地域ではなかなか見る機会がない動物にも注目してみましょう。
ホッキョクグマ
旭山動物園は、動物本来の生き生きとした姿を見せる「行動展示」の象徴ともいえるのがホッキョクグマの展示です。
「ほっきょくぐま館」には、ホッキョクグマが水中を泳ぐ様子を真下から見上げられるカプセル型の観察スペースや、氷上のアザラシの視点でホッキョクグマの接近を疑似体験できる小窓が設けられています。
ホッキョクグマは北極圏の氷上や海岸にすむ、陸上ではもっとも大きな肉食獣です。
厚い脂肪と体毛で極寒の環境に適応し、氷の割れ目で待ち伏せしてアザラシなどを捕らえます。
躍動感あふれる泳ぎの姿を間近で観察できるのは、この動物園ならではの体験です。
ゴマフアザラシ
ゴマフアザラシの展示場「あざらし館」の見どころは、水中に垂直に設置された円柱形の水槽「マリンウェイ」です。ゴマフアザラシがこの筒の中を上下に泳ぎ抜ける姿を、通路を歩きながら間近で観察できます。
ゴマフアザラシは体にゴマを振ったような斑点模様を持つアザラシで、日本近海にも生息しています。動物園でも飼育されていますが、水族館を含めると国内40施設以上で見られる身近な存在です。
まっすぐ立ち泳ぎするような姿で筒の中を通り抜ける様子は、他の動物園ではなかなか見られない展示方法です。
キングペンギン
ぺんぎん館では、水中トンネルの上をペンギンたちが泳ぐ様子を下から見上げることができます。旭山動物園では、キングペンギン(オウサマペンギン)のほか複数種のペンギンをあわせて飼育しています。
キングペンギンはコウテイペンギンに次いで体が大きいペンギンで、胸元の鮮やかなオレンジ色の模様が特徴です。動物園での飼育例は国内でも数施設にとどまります。
積雪期には、ペンギンたちが雪の中を歩く「ペンギン散歩」が行われることでも知られています。
シマフクロウ
シマフクロウは、国の天然記念物に指定されている大型のフクロウです。北海道など限られた地域にのみ生息し、生息数の少なさから絶滅が心配されています。
翼を広げると180cmほどになる大きな体と、耳のように見える羽角(うかく)が特徴です。魚を主な餌とし、川沿いの森にすみます。
旭山動物園では、北海道の自然にすむ動物を紹介するエリアの中でシマフクロウを飼育しており、希少な姿を間近で観察できます。
北海道固有の動物たち(エゾクロテン・エゾタヌキ・エゾモモンガ・エゾユキウサギなど)
旭山動物園には、北海道の森にすむ小さな動物たちを展示する「北海道小動物コーナー」があり、他の動物園ではなかなか見られない顔ぶれが揃っています。
エゾクロテンは北海道に生息するテンの亜種で、夏はこげ茶色、冬になると明るいクリーム色へと毛色が変わります。エゾタヌキは、厳しい寒さに耐えるためのモフモフとした冬毛が特徴です。
エゾモモンガはつぶらな瞳とふわふわの丸いフォルムで人気があり、エゾユキウサギは夏は茶色、冬は真っ白と季節によって毛色が変わります。
いずれも国内で飼育している動物園はごくわずかで、北海道ならではの動物たちをまとめて観察できるのは、この動物園ならではの魅力です。
旭山動物園の周り方・見どころ
ここまで紹介してきた動物たちを効率よく見て回るために、旭山動物園を訪れる際に押さえておきたいポイントをまとめました。
ほっきょくぐま館やあざらし館、ぺんぎん館、もうじゅう館、おらんうーたん館など見どころとなる建物が園内に点在しているため、事前に周り方や混雑しやすい時間帯を把握しておくと、限られた時間を有効に使えます。
旭山動物園の基本情報
北海道旭川市にある市立動物園です。「行動展示」を取り入れたことで来園者数が大きく伸び、国内でも屈指の人気を誇る動物園として知られています。
例年、春(4月上旬ごろ)と秋(11月上旬ごろ)に休園期間が設けられるほか、開園時間も夏期・冬期で変動します。訪問前に必ず公式サイトでスケジュールを確認してください。
| 所在地 | 北海道旭川市東旭川町倉沼11-18 |
|---|---|
| 開園時間 | 夏期開園 9:30〜17:15(最終入園16:00)/冬期開園 10:30〜15:30(最終入園15:00)※時期により変動 |
| 休園日 | 4月・11月の開園切り替え期間、12月30日〜1月1日 |
| 入園料 | 大人1,000円/中学生以下無料 |
| アクセス | JR「旭川駅」前から旭川電気軌道バス「旭山動物園」行きで約40分 |
| 公式サイト | https://www.city.asahikawa.hokkaido.jp/asahiyamazoo/ |
おすすめの見学ルート・周り方
園内には、ほっきょくぐま館、あざらし館、ぺんぎん館、もうじゅう館、おらんうーたん館・ちんぱんじーの森、きりん舎・かば館、北海道の自然にすむ動物を紹介するエリアなどが点在しています。
正門から入ってまっすぐ進み、人気の高いほっきょくぐま館・あざらし館・ぺんぎん館から見学を始め、もうじゅう館・おらんうーたん館などを回っていくのがスムーズです。
北海道小動物コーナーは、正門の反対の東門側の近くにあるので見逃さないように注意しましょう。
全部をていねいに見ると半日以上かかります。広い園内を効率よく回るため、あらかじめ見たい動物やエサやりタイムなどのイベント時間を確認しておくとよいでしょう。
混雑を避けるコツ・空いている時間帯
ゴールデンウィークや夏休みは特に混雑しやすい傾向にあります。反対に平日や開園直後は比較的すいていて、動物も活発に動く時間帯のため、じっくり観察したい方におすすめです。
冬期は積雪や気温の影響で開園時間が短くなるほか、「ペンギンの散歩」など期間限定のイベントが行われる時間帯に人が集中しやすいので、事前に公式サイトでスケジュールを確認しておくと安心です。
子連れ・カメラ勢におすすめのポイント
ヤギやヒツジなどの動物とふれあえるエリアもあり、小さな子ども連れでも楽しめます。冬期は防寒対策をしっかりして訪れましょう。
カメラを持っていく方には、水中を泳ぐホッキョクグマやゴマフアザラシ、空中回廊を渡るオランウータンなど、動きのある被写体がたくさんあります。冬期にはペンギンが雪の上を歩く姿も人気の撮影ポイントです。
まとめ
旭山動物園で会える動物を「珍しさ」で分類して紹介しました。
「行動展示」によって動物本来の姿を間近で観察できる展示が多く、北海道ならではの動物にも出会える、見どころの豊富な動物園です。
季節によって開園時間や休園日、イベントの内容が変わるので、訪問前にスケジュールを確認しておくと当日がスムーズです。
訪問の際は、この記事とあわせて公式サイトの最新情報も確認してから出かけてみてください。

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