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パンダを中国に返還するのはなぜ?返還ルールや今後の予定も解説!

2023年2月、日本の動物園にいたジャイアントパンダ4頭が中国に返還され、大きなニュースになりました。

返還されたのは、上野動物園のシャンシャン、和歌山アドベンチャーワールドの永明(えいめい)、双子の桜浜(おうひん)・桃浜(とうひん)です。

どのパンダも動物園で大人気だったのに、なぜ中国に返還されてしまったのでしょうか??

この記事では、パンダを中国に返還する理由や、返還に関するルール今後の返還予定などについて調べてまとめました!

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パンダを中国に返還する3つの理由

最近日本から返還されたパンダを見てみると、アドベンチャーワールドの永明は中国生まれ。上野動物園のシャンシャンや、アドベンチャーワールドの桜浜・桃浜は日本生まれです。

つまり、中国で生まれて日本にやってきたパンダだけでなく、日本の動物園で生まれ育ったパンダも返還されていることになります。

日本で生まれたのなら、なんとなく「日本のもの」という気がしてしまいますが、中国に「返還」しなければならないのはなぜなのでしょうか?

理由1:動物園のパンダはすべて中国に所有権があるから!

パンダの所有権が中国にある、つまり「パンダは中国のものだから」というのがパンダを中国に返還する第一の理由です。

現在日本にいるすべてのパンダの所有権は中国にあり、「中国からの貸与(レンタル)」形式で日本の動物園で暮らしています。

「中国からもらった」のではなく「中国から借りている」状態なので、時期が来たら中国に返還しなければいけないのです。

なぜ貸与の形式になっているのかは、野生動物保護に関して取り決めた「ワシントン条約」と関連しています。

パンダは絶滅の恐れのある希少動物として、ワシントン条約で国際取引が禁止されています。そのために、無償で贈与する形を取らず、期限付きで世界各国の動物園に貸し出すことにしているのです。

また、直接中国からレンタルされたパンダだけでなく、レンタルされたパンダから生まれたパンダについても中国に所有権が発生するように取り決められています。

<参考>
なぜパンダは中国に帰るの?パンダ中国返還について

理由2:返還の時期を中国と約束しているから!

中国からパンダを受け入れる際に、中国野生動物保護協会と結ぶ協定の中でレンタル期間が定められます。

協定で定められたレンタル期限がやってきたら、原則的にはパンダを中国に返還しなければいけません。

レンタル期間の長さは時と場合によって異なりますが、5年10年などの比較的長い期間のレンタルが多いようです。

例えば、上野動物園のリーリーシンシンの貸与期間は、2011年2月から2021年2月までの10年間です。(その後5年間の延長が決定し、現在の期限は2026年2月になっています。)

また、日本で誕生したパンダの返還期限については、「生後24カ月で返還」と規定されています。

ただし、厳密に24か月ぴったりで返還されることはあまりなく、実際に返還されるタイミングはパンダの生育状況などに合わせて中国と改めて協議の上決定されます。

例えば、2017年に上野動物園で生まれたシャンシャン(リーリー&シンシンの子ども)は、元々2020年12月末までに返還されることになっていましたが、新型コロナウイルスの状況等を踏まえて調整を重ねた結果、2023年2月まで返還時期が延期されることになりました。

<参考>
上野動物園のパンダ、中国に支払うレンタル料は
ジャイアントパンダ保護研究実施の協力協定の延長とシャンシャン返還期限の延期について(※返還日が決まりました)

理由3:個体数の多い中国でパートナー探しをするから!

「理由2」で書いたように、日本で生まれたパンダは生後24カ月(=2歳)ごろに返還することになっています。これは、繁殖に必要なパートナー探しをするためでもあります。

日本国内には、だいたい10頭くらいしかパンダがいません。繁殖適齢期かつ異性のパンダに絞るともっと少ないでしょう。だから、国内でパートナーを探そうとするとお相手の選択肢がとても狭くなってしまいます。

一方でパンダのふるさと・中国では現在600頭以上のパンダが飼育・保護されており、遺伝子的にも相性の良いパートナーを見つけることができます。

だから日本で誕生したパンダたちが最適なパートナーを見つけられるように、繫殖適齢期に達する前後(2~3歳ごろまで)に中国に返還することになっているのです。

<参考>
【中国】パンダがいる動物園&ジャイアントパンダ保護研究センター
【中国】ジャイアントパンダの名前一覧!全600頭以上総まとめ中
パンダはなぜ中国だけに生息してるの?3つの理由を解説!

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パンダの返還に関するルールまとめ

ここまで紹介してきたパンダを中国に返還する理由に基づいて、パンダの返還に関するルールをまとめてみました。

パンダの返還ルール
  • 日本で生まれたパンダを含めて、すべてのパンダを返還しなければならない
  • 協定で定めた貸し出し期限が来たら返還しなければならない
  • 中国生まれで日本にやってきたパンダの貸し出し期間は5~10年くらい
  • 日本生まれのパンダの返還期限は原則「生後24カ月」
  • 返還の時期は状況に応じて変更延期されることがある

各ルールの詳細についてはこちらの記事でまとめています!

日本から中国に返還されたパンダたちのその後

直近で日本から中国に返還されたパンダたちが、現在中国のどこの施設で暮らしているのかをまとめました!

シャンシャン(上野動物園)

名前シャンシャン(香香)
性別メス
生まれた場所上野動物園(東京都)
誕生日2017年6月12日
返還時期2023年2月21日
今いる場所雅安碧峰峡基地(四川省)
観覧可能

桜浜&桃浜(和歌山アドベンチャーワールド)

名前桜浜(おうひん)、桃浜(とうひん)
性別メス
生まれた場所和歌山アドベンチャーワールド(和歌山県)
誕生日2014年12月2日
返還時期2023年2月22日
今いる場所成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地(四川省)
観覧可能

永明(和歌山アドベンチャーワールド)

名前永明(えいめい)
性別オス
生まれた場所和歌山アドベンチャーワールド(和歌山県)
誕生日1992年9月14日
返還時期2023年2月22日
今いる場所成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地(四川省)
観覧可能

各施設の詳細はこちらの記事をご覧ください!

今後の返還予定まとめ

現在日本にいるパンダたちもいずれ返還されるときがやってくる可能性が高いです。

今後の返還予定を今分かっている範囲でまとめました。

名前動物園現在の返還期限
リーリー上野2026年2月20日
シンシン上野2026年2月20日
シャオシャオ上野不明
レイレイ上野不明
良浜和歌山不明
結浜和歌山不明
彩浜和歌山不明
楓浜和歌山不明
タンタン王子2024年12月31日


<参考>
ジャイアントパンダ保護研究実施の協力協定の延長とシャンシャン返還期限の延期について(※返還日が決まりました)

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