パンダ

上野動物園のパンダの歴史|ランラン・カンカン初来日から50年の歩み

上野動物園のパンダの歴史50年解説します。
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上野動物園のパンダの歴史は1972年のランラン・カンカン来日から始まり、現在まで50年以上も日本中の人々に愛され続けています。

この記事では、初代パンダから現在のシャオシャオ・レイレイまで、上野動物園で暮らしたすべてのパンダたちの物語を時系列に沿って詳しく解説します。

なぜ上野動物園にパンダがやってきたのか、どんなパンダたちが暮らしてきたのか…などなど、50年分の歴史をぎゅっとまとめてお届けします!

この記事で分かること
  • 上野動物園のパンダの歴史、歴代パンダの名前や家系図
  • 初代パンダ来日から現在までの主なできごと
  • 最新の上野動物園のパンダ情報
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上野動物園のパンダの歴史と歴代パンダたち

上野動物園のパンダの歴史が始まるのは、今からさかのぼること50年以上前の1972年。

ここでは、約50年に及ぶ上野動物園のパンダの歴史を年表形式で振り返るとともに、歴代のパンダたちのプロフィールや家系図もご紹介します!

上野動物園のパンダの歴史年表

年月できごと備考
1972年10月カンカン(オス)とランラン(メス)来園日本初のジャイアントパンダ
1979年9月ランラン死亡(推定10歳)
1980年1月新たにホアンホアン(メス)来園
1980年6月カンカン死亡(推定9歳)
1982年11月新たにフェイフェイ(オス)来園
1985年6月チュチュ(オス)誕生、43時間後に死亡日本初の赤ちゃんパンダ誕生
1986年6月トントン(メス)誕生日本初の育成成功事例
1988年6月ユウユウ(オス)誕生
1992年11月ユウユウ中国へ、入れ替わりでリンリン(オス)来園
1994年12月フェイフェイ死亡(推定27歳)
1997年9月ホアンホアン死亡(推定25歳)
2000年7月トントン死亡(14歳)
2003年12月シュアンシュアン(メス)メキシコから来園
2005年9月シュアンシュアンメキシコへ帰国
2008年4月リンリン死亡(22歳)パンダ不在の時代へ
2011年2月新たにリーリー(オス)・シンシン(メス)来園3年ぶりのパンダ飼育復活
2012年7月赤ちゃん(オス)誕生、6日後に死亡
2017年6月シャンシャン(メス)誕生
2021年6月シャオシャオ(オス)・レイレイ(メス)誕生上野動物園初の双子
2023年2月シャンシャン中国へ旅立ち
2024年9月リーリーシンシン中国へ旅立ち
*参考:歴代のパンダたち|上野動物園のジャイアントパンダ情報サイト「UENO-PANDA.JP」
*参考:上野動物園の歴史 | 上野動物園公式サイト – 東京ズーネット
*参考:「パンダが来てから30年展」 | 東京ズーネット

それぞれのできごとについては、後ほど詳しく解説します!

上野動物園の歴代パンダ一覧

上野動物園の歴代パンダは全15頭。そのうち8頭は中国など海外から来園し、7頭は上野動物園で誕生しました。

15頭の名前や誕生日などのプロフィールを一覧にまとめてご紹介します!

名前性別生年月日出身来園日移動または
死亡日
飼育期間
カンカン(康康)オス1970年11月 (推定)中国1972年10月28日1980年6月30日(死亡)7年8ヶ月
ランラン(蘭蘭)メス1968年11月 (推定)中国1972年10月28日1979年9月4日(死亡)6年10ヶ月
ホァンホァン(歓歓)メス1972年 (推定)中国1980年1月29日1997年9月21日(死亡)17年8ヶ月
フェイフェイ(飛飛)オス1967年 (推定)中国1982年11月9日1994年12月14日(死亡)12年1ヶ月
チュチュ(初初)オス1985年6月27日上野動物園1985年6月29日(死亡)43時間
トントン(童童)メス1986年6月1日上野動物園2000年7月8日(死亡)14年1ヶ月
ユウユウ(悠悠)オス1988年6月23日上野動物園1992年11月13日(北京動物園へ移動)4年5ヶ月
リンリン(陵陵)オス1985年9月5日北京動物園1992年11月5日2008年4月30日(死亡)15年5ヶ月
シュアンシュアンメス1987年6月15日メキシコ・チャプルテペック動物園2003年12月3日2005年9月26日(帰国)1年10ヶ月
リーリー(力力)オス2005年8月16日臥龍保護センター(中国)2011年2月21日2024年9月29日(中国へ返還)13年7ヶ月
シンシン(真真)メス2005年7月3日臥龍保護センター(中国)2011年2月21日2024年9月29日(中国へ返還)13年7ヶ月
無名の赤ちゃんオス2012年7月5日上野動物園2012年7月11日(死亡)6日
シャンシャン(香香)メス2017年6月12日上野動物園2023年2月21日(中国へ返還)5年8ヶ月
シャオシャオ(暁暁)オス2021年6月23日上野動物園現在も飼育中現在3歳
レイレイ(蕾蕾)メス2021年6月23日上野動物園現在も飼育中現在3歳
*参考:歴代のパンダたち|上野動物園のジャイアントパンダ情報サイト「UENO-PANDA.JP」
*参考:パンダプロフィール|上野動物園のジャイアントパンダ情報サイト「UENO-PANDA.JP」
「歴代パンダの名前の由来」を見る!

上野動物園のパンダ家系図

歴代パンダの関係性が分かりやすいように家系図にまとめました。

上野動物園の歴代パンダ家系図。歴代15頭のパンダの血縁関係を図示。

初代ペアのカンカン・ランランには子ども生まれませんでしたが、2代目ペアのフェイフェイ・ホァンホァンからチュチュ、トントン、ユウユウが誕生しました。

ユウユウは中国のリンリンと交換され、メキシコからやってきたシュアンシュアンとペアになりましたが、繁殖には至りませんでした。

そして、現在のパンダファミリーを築いたのは4代目ペアのリーリーとシンシンで、名前のない赤ちゃん、シャンシャン、そして現在も上野動物園にいる双子のシャオシャオとレイレイが生まれました。

「上野動物園のパンダ家系図」もっと詳しく見る!

*参考:歴代のパンダたち|上野動物園のジャイアントパンダ情報サイト「UENO-PANDA.JP」
*参考:パンダプロフィール|上野動物園のジャイアントパンダ情報サイト「UENO-PANDA.JP」

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上野動物園の歴代パンダ物語:【前編】1972年~2008年

ここからは、先ほど年表で紹介した上野動物園のパンダの歴史について、時系列に沿って詳しく解説します!

まずは、初代ペア「ランランとカンカン」の来園から、繁殖への取り組み、そして一時的にパンダ不在になる2008年までの主なできごとを見ていきましょう。

初代パンダ「カンカン・ランラン」来日とパンダブーム到来

上野動物園のパンダの物語は、1972年10月28日、オスのカンカンとメスのランランの来園から始まりました。

日中国交正常化の記念に、中国から日本への友好の証として贈られたカンカンとランラン。
その白黒模様の珍しい姿を一目見ようと、1972年11月5日の一般公開初日には5万6千人が詰めかけたそうです。

空前のパンダブームにより、上野動物園の年間入園者数は劇的に増加しました。

年間入園者数備考
1970年頃300~400万人パンダ来園前
1972年501万人カンカン・ランラン来園(11月公開)
1973年737万人パンダブーム本格化
1974年765万人過去最高の来園者数

パンダの来園は当時の新聞やテレビでも大きく報道され、パンダのぬいぐるみや文房具など、さまざまなパンダグッズが発売されるなど、社会現象となりました。

カンカンとランランは繁殖することなく亡くなりましたが、その後の上野動物園のパンダ飼育にとってまさに「原点」というべき存在です。

「パンダの初来日」もっと詳しく見る!

*参考:動物たちの横顔 21「人気者、ジャイアントパンダ」 | 東京ズーネット
*参考:西山弘泰(2006年) . 「新聞記事が描く戦後上野公園」 『文学研究論集』巻 25, p.185-207.

2代目ペア「ホアンホアン・フェイフェイ」繁殖への挑戦と赤ちゃんパンダ誕生

1980年にホアンホアン(メス)が、1982年にフェイフェイ(オス)が新たに来園し、上野動物園では再びパンダの繁殖への取り組みが始まりました。

そしてフェイフェイの来園から約2年後の1985年、日本国内で初めてとなるパンダの赤ちゃんが誕生しました。
ですが、「日本初」という意味で「初初(チュチュ)」と名付けられたオスの赤ちゃんは、生まれてからわずか43時間で亡くなってしまい、悲しみが広がります。

翌1986年、今度はメスの赤ちゃんが誕生。
トントン」と名付けられた赤ちゃんは、たくさんの愛を受けながら無事に成長し、日本に再びパンダブームを巻き起こしました。

さらに1988年にもオスのユウユウが誕生。ホアンホアン・フェイフェイファミリーは、「日本初のパンダファミリー」として、日本のパンダ史に名を残したのです。

新たなパンダの来園と悲しいお別れ

1992年、上野生まれのユウユウと交換する形で、オスのリンリンが新たに来園しました。
リンリンは最初トントンとの繁殖が期待されていましたが、残念ながら2頭の間に子どもが誕生することはありませんでした。

そして、1994年にフェイフェイ、1997年にホァンホァン、2000年にトントンが亡くなってしまうという、悲しいできごとが相次いで起こりました。

2003年にリンリンの新たなパートナーとしてシュアンシュアン(メキシコ生まれ)が来園しました。しかし、このペアも繁殖に至ることなく、シュアンシュアンは約2年後にメキシコに帰国しました。

2005年9月以降、上野動物園のパンダはリンリン1頭だけになりました。
そして2008年にリンリンが22歳で天国へ旅立ち、上野動物園からパンダがいなくなってしまったのです。

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上野動物園の歴代パンダ物語:【後編】2011年~

リンリンが亡くなってから約3年後の2011年、一度途切れてしまった上野動物園のパンダの歴史が再び動き出します。

新たなペア「リーリーとシンシン」の来園と赤ちゃんの誕生は、日本中に笑顔と感動を届けてくれました。

それでは、2008年以降の主な出来事を見ていきましょう。

新たなペア「リーリーとシンシン」の来園

2011年2月21日、約3年ぶりにジャイアントパンダが上野動物園へやってきました。中国の臥龍保護センター生まれのリーリー(オス)とシンシン(メス)です。

上野動物園はリーリーとシンシンの繁殖に力を注ぎましたが、なかなか繁殖は成功しませんでした。

パンダの発情期は年に一度と短く、タイミングが重要です。
2012年には初めての子が生まれましたが6日後に死亡、その後も数年間にわたって試行錯誤が続きました。

*参考:ジャイアントパンダシャンシャン公開までの記録 – 上野

シャンシャン誕生で再びパンダフィーバー到来

リーリー・シンシンの来園から6年後の2017年、ついに待ち望んでいた瞬間が訪れます。
メスの赤ちゃんパンダ「シャンシャン」の誕生です。

上野動物園でパンダの赤ちゃんが無事に育つのは、1988年のユウユウ以来、約30年ぶりのことでした。

シャンシャンの誕生で日本中に再びパンダブームが訪れます。シンシンと親子で過ごすかわいらしい姿が多くの人々を魅了し、名前の募集時には32万件もの応募が集りました。

*参考:ジャイアントパンダシャンシャン公開までの記録 – 上野

双子パンダ「シャオシャオとレイレイ」誕生

シャンシャンフィーバー冷めやらぬ2021年、今度はシャオシャオ(オス)とレイレイ(メス)の双子が誕生しました。

上野動物園にとってもシンシンにとっても双子パンダの子育ては初めてのことでしたが、シンシンは2頭を愛情たっぷりに育て、飼育スタッフも24時間体制で見守り、双子はすくすくと成長していきました。

一般公開が始まると、小さな双子パンダの動きがシンクロしたり、コロコロとじゃれ合ったりするかわいらしい姿をたくさん見せてくれました。

シャオシャオ・レイレイはすでにひとり立ちして1頭ずつで暮らしていますが、今でも多くの人の心を掴んで離しません。

*参考:ジャイアントパンダ「シャオシャオ」「レイレイ」の公開について | 東京ズーネット

シャンシャン・リーリー・シンシンの中国への旅立ち

中国との協定に基づき、日本生まれのパンダは一定の年齢で中国へ返還されます。
日本中のパンダファンに愛されたシャンシャンは、2023年2月に5歳で中国へと旅立ちました。

さらに、リーリーとシンシンも、13年間にわたる上野動物園での生活を終え、2024年9月に中国へ返還されました。

現在上野動物園では、双子パンダのシャオシャオ・レイレイが暮らしていますが、2頭も2026年2月頃が返還期限となっています。(時期は前後する可能性があります)

「パンダの返還ルール」詳細はこちら

*参考:ジャイアントパンダ「シャンシャン」の返還日が決まりました | 東京ズーネット
*参考:ジャイアントパンダ「リーリー」と「シンシン」の返還について

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上野動物園でシャオシャオとレイレイに会おう!最新情報と楽しみ方

現在、上野動物園では2021年生まれの双子パンダ、シャオシャオ(オス)とレイレイ(メス)に会うことができます。

シャオシャオ・レイレイ観覧のポイント

  • 2頭がいるのは、西園の「パンダのもり」
  • 長い待機列ができることもあるので気持ちと時間に余裕が必要
  • 混雑状況により、待機列への整列が閉園時間より早く締め切られる場合がある
  • 係員さんの指示に従って、ゆずり合いながら観覧する
  • フラッシュ撮影は禁止!

シャオシャオとレイレイも日中協定に基づいて将来中国へ返還される予定で、2026年2月が返還期限となっています。
また、とても寂しいことに、2頭の返還後は日本国内からパンダがいなくなってしまう見込みです。

双子に会える貴重な時間を大切に、ぜひ一度会いに行ってみてください。

「シャオシャオ・レイレイ返還」詳しくはこちら

上野動物園の基本情報

  • 開園時間: 9:30~17:00(入園は16:00まで)
  • 休園日: 月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始
  • 入園料:
    • 一般: 600円
    • 65歳以上: 300円
    • 中学生: 200円
    • 小学生以下: 無料
  • アクセス: JR「上野駅」公園口から徒歩5分
  • 公式ウェブサイト: https://www.tokyo-zoo.net/zoo/ueno/

*参考:ジャイアントパンダの観覧方法を変更します(5/13~) | 東京ズーネット

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まとめ:上野動物園のパンダの歴史がこれからも続きますように

50年にわたる上野動物園のパンダの歴史をたどってきました。

カンカン・ランラン来園からシャオシャオ・レイレイまで、上野動物園の歴代パンダたちがどれほど多くの人に愛されてきたのかを感じていただけたのではないでしょうか?

シャオシャオ・レイレイの返還で上野動物園には2度目の「パンダ不在の時代」が訪れようとしています。

生まれた時から見守ってきた2頭が旅立つことを想像するととても寂しいですが、上野動物園のパンダの歴史はこれで終わりじゃないと信じて、新たな物語が動き出すことを願っています。

この記事のまとめ
  • 上野動物園のパンダの歴史は、1972年のランラン・カンカン来園から始まり、これまでに多くのパンダが来園・誕生した。
  • パンダの来園や誕生は日本中に大きなブームを巻き起こし、経済効果や入園者数増加につながった。
  • 現在は双子のシャオシャオ・レイレイが暮らしているが、2026年2月が返還期限となっている。
「上野動物園のパンダの展示情報」をもっと見る!
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