東山動植物園では、2026年10月時点で5頭のマヌルネコを飼育していて、動物園本園の「食肉小獣舎」で会うことができます。
もふもふの毛並みや、不機嫌そうな表情がなんともかわいいマヌルネコは、国内では9つの動物園でしか見られない珍しいネコ科動物です。
東山動植物園では2025年に約23年ぶりに赤ちゃんが生まれ、「ノブ・ヒデ・ヤス」と名付けられた3兄弟が大人気になりました。
この記事では、東山動植物園のマヌルネコの展示場所・時間・今いる5頭の名前などの最新情報と、飼育の歴史や家系図を紹介します。
_panda-12-300x158.png)
東山動植物園のマヌルネコ最新情報
東山動植物園でマヌルネコに会うために知っておきたい最新の展示情報をまとめました。
| 展示場所 | 動物園本園の「食肉小獣舎」 |
|---|---|
| 展示時間 | 9:00〜16:50(動物園の開園時間と同じ) |
| 飼育数 | 5頭(オス3頭・メス2頭) |
| 名前 | オス:エル、ノブ、ヤス メス:ミーニャ、ハニー |
| 展示方法 | 寝室と展示場を自由に行き来できるようになっているため、姿が見えないこともある |
| 最寄り駅 | 地下鉄東山線「東山公園駅」 |
| 休園日 | 毎週月曜日(祝日の場合は翌日) |
展示場所は動物園本園の「食肉小獣舎」
東山動植物園のマヌルネコは、動物園本園にある「食肉小獣舎(しょくにくしょうじゅうしゃ)」で暮らしています。
東山動植物園の動物園エリアは本園と北園に分かれていて、食肉小獣舎は本園にあります。
食肉小獣舎は、その名前のとおり、肉食の小型動物たちを集めた獣舎です。
同じエリアには、ユキヒョウやスナドリネコ、ジャガーなどのネコ科の動物や、国内では東山動植物園でしか見られないラーテルもいるので、あわせて探してみてください。
食肉小獣舎は天井が高い造りになっていて、高い場所にいるマヌルネコを見上げて観察できるのが特徴です。
展示場には檻があるので、観察や撮影は格子越しになります。
見えにくいときは建物裏手の坂道へ
マヌルネコが展示場の上のほうにいると、正面から見えにくいときがあります。
そんな時は建物裏手の坂道にまわってみてください。
食肉小獣舎の裏側にある格子窓から、高い場所でくつろいでいるマヌルネコがよく見えることがあります。
食肉小獣舎への行き方
地下鉄東山線の「東山公園駅」から歩いてすぐの正門が、食肉小獣舎がある本園へのいちばん近い入口です。
正門から入ってまっすぐ進み、アジアゾウやスマトラトラ、フラミンゴの展示場を過ぎると、フードコートが見えてきます。
その左手にある檻が食肉小獣舎です。
展示時間・見やすい時間帯と混雑状況
マヌルネコの展示時間は、東山動植物園の開園時間と同じ9時〜16時50分です(券売は16時30分まで)。
休園日は毎週月曜日(祝日の場合は翌日)です。
約23年ぶりに誕生した三つ子の愛称投票が行われていた2025年の秋には、開園から5分で展示場の前に人だかりができるほどの人気ぶりでした。
三つ子はすでに独り立ちしているため、現在は多少は混雑が落ち着いていると思いますが、週末や連休は混み合いやすいので、ゆっくり見たい場合は平日や開園直後がねらい目です。
マヌルネコの飼育数と名前
2026年10月時点で、東山動植物園で飼育しているマヌルネコはオス3頭・メス2頭の計5頭です。
| 名前 | 性別 | 出身 | 来園 |
|---|---|---|---|
| ハニー | メス | 埼玉県こども動物自然公園(2012年生まれ) | 2013年3月 |
| エル | オス | 那須どうぶつ王国(2019年生まれ) | 2021年 |
| ミーニャ | メス | 上野動物園(2021年生まれ) | 2023年12月 |
| ノブ | オス | 東山動植物園(2025年生まれ) | — |
| ヤス | オス | 東山動植物園(2025年生まれ) | — |
東山動植物園では、ハニーとエルの2頭が暮らしていたところに、2023年12月、繁殖のためにミーニャがやってきました。
2025年5月にエルとミーニャの間に3兄弟が生まれて6頭になりました。
その後、2026年6月に3兄弟のヒデが旭山動物園へ移り、今は5頭になっています。
ハニー(メス)
ハニーは、2012年4月21日に埼玉県こども動物自然公園で生まれたメスです。
母は、国内最高齢の16歳まで生きたタビー、父はオランダから来たオスカーです。
エルの父親のボル(那須どうぶつ王国で暮らし、2025年7月に死亡)とハニーはきょうだいなので、ハニーとエルはおば・甥の関係です。
2026年で14歳になるハニーは、東山動植物園のマヌルネコでいちばん年上です。
エル(オス)
エルは、2019年4月22日に那須どうぶつ王国で生まれたオスで、父はボル、母はポリーです。
このとき生まれた8頭のうち、育ったのはエルと妹のアズの2頭だけで、2頭は生後5日から人の手で育てられました。
2020年にアズと一緒に神戸どうぶつ王国へ移り、2021年1月、繁殖のために東山動植物園へやってきました。
ミーニャとの間に3兄弟が生まれ、東山動植物園の約23年ぶりの繁殖につながりました。
ミーニャ(メス)
ミーニャは、2021年3月28日に上野動物園で生まれたメスで、父はクリョン、母はプリームラです。
一緒に生まれたオスのナルは、神戸どうぶつ王国でアズとの繁殖に成功し、父親になっています。
2023年12月に東山動植物園へやってきて、エルとの同居を始め、2025年5月に初めての出産で3頭の赤ちゃんを産み、3兄弟のお母さんになりました。
ノブ・ヤス(オス)と3兄弟の見分け方
ノブとヤスは、2025年5月26日(推定)にエルとミーニャの間に生まれた3兄弟のうちの2頭です。
3兄弟のノブ・ヒデ・ヤスは3頭ともオスで、名前は名古屋にゆかりのある戦国武将「三英傑」の織田信長・豊臣秀吉・徳川家康にちなんでいます。
ヒデは2026年6月に旭山動物園へ移り、今の東山動植物園にはノブとヤスの2頭が暮らしています。
名前は、飼育員さんが考えた3つの案から、愛称投票で選ばれました。
同じように育った3兄弟ですが、性格はそれぞれ違い、ノブとヒデはよく一緒にいて、ヤスは柵をよじ登るほど好奇心が旺盛です。
3兄弟は顔だけでは見分けにくく、いちばんの手がかりはしっぽの輪の模様です(詳しくは下の表を参照)。
食肉小獣舎には「マヌルネコの仔たちの見分け方」という掲示があり、東山動植物園の公式動画でも、しっぽと顔を交互に映しながら1頭ずつの特徴を紹介しています。
| 名前 | 名前の由来 | 見分け方 | 性格 |
|---|---|---|---|
| ノブ | 織田信長 | しっぽの輪の模様が均等に並んでいる | ビビり |
| ヒデ | 豊臣秀吉 | 輪どうしの幅が狭く「二重の輪」に見える部分が、しっぽの先端にある | マイペースで穏やか |
| ヤス | 徳川家康 | 「二重の輪」に見える部分が、しっぽの真ん中に続けてある | 勝気で、3頭の中でいちばん好奇心が旺盛 |
観察するときのポイントと注意点
東山動物園でマヌルネコを見る際のポイントと注意点をまとめました。
- 何度かのぞいてみる:寝室と展示場を自由に行き来できるようにしているため、公式でも「ご覧いただけないことが多い」と案内されている。時間をおいてまた来てみるのがおすすめ。
- 上のほうも探す:天井が高い展示場なので、見当たらないときは高い場所を見上げてみる。
- 裏手の坂道もチェック:正面から見えにくいときは、建物裏手の坂道の格子窓からのぞいてみる。
- 大きな声を出さず、静かにそっと見守る
- 檻や窓をたたいたり、手や物を入れたりしない
- フラッシュを使って撮影しない
- 裏手の坂道からのぞくときは、足元に気をつける
- 展示場の前が混み合っているときは、ゆずり合って観察する
マヌルネコはもともと警戒心が強い動物で、大きな音や急な動きは強いストレスになります。
動物園の動物は、嫌なことがあっても遠くへ逃げることができないので、やさしく見守りましょう。
東山動植物園のマヌルネコの歴史
東山動植物園のマヌルネコの飼育は、1984年に中国・南京市から贈られた2頭から始まりました。
2002年にも繁殖に成功していて、ほかの動物園と個体をやりとりしながら、40年以上マヌルネコを飼育してきました。
| 1984年4月 | 中国・南京市から、オスのチェンチェンとメスのリンリンが贈られ、飼育が始まる |
|---|---|
| 1996年5月 | メスのマヌルネコが来園(2012年1月に死亡) |
| 2002年 | マヌルネコの繁殖に成功 |
| 2002年3月 | メス1頭が上野動物園へ移る |
| 2008年2月 | 10年以上飼育していたオスが死亡 |
| 2013年3月 | 埼玉県こども動物自然公園からハニーが来園 |
| 2018年 | 埼玉県こども動物自然公園からレフが来園 |
| 2021年1月 | レフが神戸どうぶつ王国へ移り、入れ替わりにエルが来園 |
| 2023年12月 | 上野動物園からミーニャが来園し、エルと同居を始める |
| 2025年5月 | エルとミーニャの間に、園として約23年ぶりの赤ちゃん3頭が誕生 |
| 2025年8月 | 赤ちゃん3頭の一般公開が始まる |
| 2025年10月 | 愛称投票で「ノブ・ヒデ・ヤス」に決まる |
| 2026年6月 | ヒデが旭山動物園へ転出 |
1984年に始まったマヌルネコ飼育
1984年4月12日、中国・南京市から友好の証として、オスのチェンチェンとメスのリンリンが贈られ、東山動植物園での飼育が始まりました。
当時、国内でマヌルネコがいたのは上野動物園の2頭だけで、新聞各社に取り上げられるほどの注目を集めました。
1996年5月にはメスのマヌルネコがやってきて、2012年1月に亡くなるまで、15年以上東山で暮らしました。
2002年には東山動植物園でマヌルネコが生まれました。
そして同じ2002年3月に上野動物園へ移ったメスは、2004年に赤ちゃんを産み、上野動物園初のマヌルネコの繁殖に成功しました。
2013年3月には、埼玉県こども動物自然公園生まれのハニーがやってきました。
2018年には、埼玉県こども動物自然公園からオスのレフが来園し、2021年に神戸どうぶつ王国へ移るまでの約3年間を東山で過ごしました。
レフと入れ替わりにエルがやってきて、2021年2月2日から公開されました。
2002年以来、約23年ぶりの赤ちゃん誕生
2025年5月26日、飼育員さんが、寝室に置いていた産箱の中で赤ちゃんが生まれているのを確認しました。
生後3週ごろまで赤ちゃんはほとんど産箱から出てこず、ミーニャも産箱から離れなかったので、飼育員さんはそっとしたままビデオで見守っていたそうです。
やがて夜の寝室で、産箱から出てくる3頭の赤ちゃんの姿が確認されました。
東山動植物園でマヌルネコが生まれたのは2002年以来で、エルとミーニャにとっても初めての赤ちゃんでした。
3頭は2025年8月から食肉小獣舎で公開され、10月に行われた愛称投票の結果、約6,300票を集めた「ノブ・ヒデ・ヤス」に名前が決まりました。
ヒデ、旭山動物園へ
2026年5月、3兄弟のうちヒデが北海道の旭山動物園へ移ることが発表されました。1歳を迎えて独り立ちの時期になったためです。
ヒデは6月に東山動植物園を旅立ち、旭山動物園のマヌルネコ舎での生活が始まりました。
旭山動物園には、以前からマヌルネコのグルーシャが1頭で暮らしていて、ヒデの来園で2頭になりました。
_panda-45-300x158.png)
東山動植物園のマヌルネコの家系図
東山動植物園のマヌルネコたちは、全国の動物園のマヌルネコと親子・きょうだい関係でつながっています。
今いる5頭を中心に、親子のつながりを整理しました。
- 2012年:父・オスカー × 母・タビー(埼玉県こども動物自然公園)
-
∟ハニー(メス)
※エルのおば @東山動植物園
- 2019年:父・ボル × 母・ポリー(那須どうぶつ王国)
-
8頭誕生(育ったのは2頭)
∟エル(オス)@東山動植物園
∟アズ(メス)@神戸どうぶつ王国
- 2021年:父・クリョン × 母・プリームラ(上野動物園)
-
双子誕生
∟ミーニャ(メス)@東山動植物園
∟ナル(オス)@神戸どうぶつ王国
- 2025年:父・エル × 母・ミーニャ(東山動植物園)
-
三つ子誕生
∟ノブ(オス)@東山動植物園
∟ヤス(オス)@東山動植物園
∟ヒデ(オス)@旭山動物園
エルはタビーの孫、ミーニャはタビーのひ孫にあたります。
つまりノブ・ヒデ・ヤスの3兄弟の家系をたどると、父方・母方の両方で、上野生まれのタビーにいきつくのです。
このように、国内にいるマヌルネコの多くはタビーの血を引いているため、血縁関係のない相手を国内で見つけにくく、繁殖のペアづくりが難しくなっています。
また、2018年から約3年間東山で暮らしたレフは、ミーニャの祖父(=プリームラの父)で、3兄弟にとってはひいおじいさんにあたります。
エルの妹アズと、ミーニャの兄ナルは、神戸どうぶつ王国でペアになって子どもが生まれているので、東山と神戸の子どもたちはいとこ同士の関係です。
東山動植物園の歴代マヌルネコ一覧
東山動植物園にいたことがある歴代マヌルネコの情報を表にまとめました。
| 名前 | 性別 | 出身 | 現在 |
|---|---|---|---|
| チェンチェン | オス | 中国・南京市 | 1984年4月に来園。東山で最初のマヌルネコ |
| リンリン | メス | 中国・南京市 | 1984年4月に来園。東山で最初のマヌルネコ |
| (名前不明) | メス | — | 1996年5月に来園。2012年1月に死亡 |
| (名前不明) | オス | — | 10年以上、繁殖のオスとして飼育。2008年2月に死亡 |
| (名前不明) | メス | — | 2002年3月に上野動物園へ。2004年に上野動物園初のマヌルネコの繁殖に成功 |
| 十兵衛 | オス | — | 2001年に左目を失う。2008年から繁殖のオスに |
| ハニー | メス | 埼玉(2012年生まれ) | 2013年3月に来園。東山で飼育中 |
| レフ | オス | ロシア | 2018年に埼玉県こども動物自然公園から来園。2021年1月に神戸どうぶつ王国へ移り、のちに那須どうぶつ王国で2025年3月に死亡 |
| エル | オス | 那須(2019年生まれ) | 2021年に来園。東山で飼育中 |
| ミーニャ | メス | 上野(2021年生まれ) | 2023年12月に来園。東山で飼育中 |
| ノブ | オス | 東山(2025年生まれ) | 東山で飼育中 |
| ヒデ | オス | 東山(2025年生まれ) | 2026年6月に旭山動物園へ |
| ヤス | オス | 東山(2025年生まれ) | 東山で飼育中 |
マヌルネコってどんな動物?
マヌルネコは、中央アジアの草原や岩場で暮らす野生のネコです。
丸く見える顔や、ずんぐりした体は、長くて密な毛のおかげで、寒さの厳しい場所で暮らすのに役立っています。
飼育下では4月下旬から5月にかけて、1〜5頭の赤ちゃんを産みます。
名前の「マヌル」は、モンゴル語から来たことばです。
冬になると毛がさらに長くなり、もこもこの姿に変わるのも、マヌルネコならではの魅力です。
体の大きさや見た目の特徴、名前の由来を知っておくと、食肉小獣舎での観察がもっと楽しくなります。
東山動植物園の基本情報
東山動植物園は、1937年に開園した名古屋市の動植物園で、動物園と植物園の両方を一度に楽しめます。
マヌルネコのほかにも、コアラやニシローランドゴリラなどの人気の動物や、コモドオオトカゲなど国内でここにしかいない非常に珍しい動物など、国内最多の約450種類もの動物を飼育しています。
| 施設名称 | 東山動植物園 |
|---|---|
| 所在地 | 愛知県名古屋市千種区東山元町3-70 |
| 開園時間 | 9:00〜16:50(券売は16:30まで) |
| 休園日 | 毎週月曜日(祝日の場合は翌日)、12月29日〜1月1日 |
| 入園料 | 大人(高校生以上)800円/中学生以下無料 ※2026年10月1日に改定 |
| アクセス | 地下鉄東山線「東山公園駅」から徒歩約3分(動物園エリア) 地下鉄東山線「星ヶ丘駅」から徒歩約7分(植物園エリア) |
| 公式サイト | https://www.higashiyama.city.nagoya.jp/ |
_panda-28-300x158.png)
まとめ
東山動植物園のマヌルネコの最新情報と、飼育の歴史・家系図などを紹介しました。
2026年10月時点で、東山動植物園にはエル・ミーニャ・ハニー・ノブ・ヤスの5頭が暮らしていて、動物園本園の食肉小獣舎で会うことができます。
寝室と展示場を行き来しているので、見えないときは時間をおいてのぞいたり、建物裏手の坂道にまわったりしてみてください。
2025年には約23年ぶりに3兄弟が生まれ、そのうちのヒデは北海道の旭山動物園へ引っ越しました。
しっぽの特徴を手がかりに、すくすく育つノブとヤスを見分けながら観察するのも、東山動植物園ならではの楽しみ方です。

_panda-47.png)