キボシイワハイラックスに会える動物園は、日本国内にわずか2園しかありません。
キボシイワハイラックスはこれまで日本にほとんど輸入されておらず、国内で飼育・展示が始まったのは2019年になってからのことです。
体温調節が苦手で温度管理された環境が必要なうえ、繁殖のためのペアの確保も難しく、キボシイワハイラックスを受け入れられる施設は限られています。
この記事では、キボシイワハイラックスがいる動物園の所在地・飼育状況・開園時間・アクセスといった基本情報に加えて、各園の見どころも紹介します。
さらに、キボシイワハイラックスの特徴や生態もまとめたので、実際に会いに行く前の予習としてぜひ役立ててください。
キボシイワハイラックスがいる動物園一覧
キボシイワハイラックスを飼育している国内2つの動物園の情報を一覧表にまとめました。
| 埼玉県こども動物自然公園(埼玉県) | 飼育数:非公開(5頭前後?) 2019年に日本で初めてキボシイワハイラックスの飼育・展示を開始。2020年1月には国内初の繁殖に成功し、その後何度も赤ちゃんが誕生している。 |
|---|---|
| ごかつら池どうぶつパーク(三重県) | 飼育数:3頭 2025年12月に埼玉県こども動物自然公園から来園。キボシイワハイラックスとケープハイラックスの2種を同時に観察できるのは国内でここだけ。 |
キボシイワハイラックスはハイラックスの仲間の中でも国内での飼育例が非常に少なく、2019年に初来日してからしばらくは埼玉県こども動物自然公園だけで飼育されてきました。
その後2024年に同じ埼玉県内にある智光山公園こども動物園に1頭が移動しましたが、2025年8月に死亡しました。
2025年12月に、埼玉県こども動物自然公園から3頭が三重県のごかつら池どうぶつパークへ移動し、現在はこの2園でキボシイワハイラックスを見ることができます。
動物園ごとの見どころ
ここでは、上の一覧表で紹介した2つの動物園について、それぞれの飼育の歴史や見どころ、基本情報を詳しく紹介します。
キボシイワハイラックスの展示スタイルや一緒に見られる動物は園によって異なるので、訪問先を選ぶ際の参考にしてください。
各動物園の基本情報(開園時間・入園料・アクセスなど)も表にまとめているので、訪問前の下調べにもお役立てください。
気になる動物園があれば、あわせて公式サイトもチェックしてみてください。
埼玉県こども動物自然公園
埼玉県こども動物自然公園は、日本で初めてキボシイワハイラックスを飼育・公開した動物園です。
2019年に展示が始まり、2020年1月には国内初となる赤ちゃんが誕生しました。その後も繁殖が続いており、2025年10月にも新たな赤ちゃんが3頭生まれています。
国内で唯一、繁殖の実績を積み重ねてきた園で、2025年12月には3頭がごかつら池どうぶつパークへ移りました。
キボシイワハイラックスの展示場所は「キリンテラス」というアミメキリンの展示場のすぐ横にあります。入園口からまっすぐ進んだ見つけやすい場所です。
キボシイワハイラックスだけでなく、コアラやマヌルネコなど珍しい動物をたくさん見ることができて、丸一日楽しめるのが魅力です。
| 所在地 | 埼玉県東松山市岩殿554 |
|---|---|
| 開園時間 | 9:30〜17:00(11/15〜1/31は16:30まで、最終入園は各1時間前まで) |
| 休園日 | 月曜日(祝日の場合は開園)、12/30〜1/1 |
| 入園料 | 大人(高校生以上)900円/小人(小中学生)200円/未就学児無料 |
| アクセス | 東武東上線「高坂駅」西口からバス約5分 |
| 公式サイト | https://www.parks.or.jp/sczoo/ |
ごかつら池どうぶつパーク
ごかつら池どうぶつパークは、三重県多気町の「ごかつら池ふるさと村」内にある動物園です。
キボシイワハイラックスは、クラウドファンディングの支援も受けて2025年12月に埼玉県こども動物自然公園から3頭が来園しました。
また、2026年4月には広島市安佐動物公園からケープハイラックス2頭が来園し、キボシイワハイラックスの隣の獣舎で展示されています。
2種類のハイラックスを見比べられるのは国内でここだけで、体格や体型の違いを観察できるのが大きな見どころです。
| 所在地 | 三重県多気郡多気町五桂992 |
|---|---|
| 開園時間 | 10:00〜16:30(最終入園16:00) |
| 休園日 | 火曜(祝日の場合は翌平日) |
| 入園料 | 大人(中学生以上)900円(多気町民800円)/こども(4歳〜小学生)500円(多気町民400円)/3歳以下無料 |
| アクセス | 伊勢自動車道「勢和多気(せいわたき)IC」から車約10分/JR「多気駅」からタクシー約15分 |
| 公式サイト | https://gokatsura.jp/ |
キボシイワハイラックスってどんな動物?特徴、生態まとめ
キボシイワハイラックスは、アフリカの岩場やサバンナで暮らす、ウサギほどの大きさの小型の哺乳類です。
丸っこくおとなしそうな見た目ですが、分類上はゾウに近いとされ、進化の道すじがとてもユニークな動物です。
2022年に漫画『ちいかわ』の作者であるナガノさんの漫画で紹介されたことで注目度が上がりました。
ここでは、名前や大きさといった基本データに加えて、見た目・性格・食べ物という3つの切り口から、キボシイワハイラックスの特徴・生態の豆知識を紹介します。
会いに行く前に知っておくと、動物園で観察する楽しみが何倍にも広がるはずです。
| 名前 | キボシイワハイラックス |
|---|---|
| 英名 | Bush Hyrax(Yellow-spotted Rock Hyrax) |
| 学名 | Heterohyrax brucei |
| 分類 | 哺乳綱 イワダヌキ目(ハイラックス目) ハイラックス科 |
| 大きさ | 体長32〜56cm前後、体重1.3〜3.6kg(ハイラックスの仲間で最小) |
| 生息地 | アフリカ東部〜南西部(エチオピア・ソマリアからモザンビーク、ボツワナ、アンゴラなど)の岩場やサバンナ |
| 寿命 | 野生下で10年ほど |
キボシイワハイラックスの見た目・大きさの特徴
キボシイワハイラックスは、グレーがかった体毛に、ずんぐりした体つき、しっぽがほとんど見えないほど短く、シカのようなおっとりした顔立ちが特徴です。
名前の由来である背中の黄色い斑点(=黄星⇒キボシ)は、汗や皮脂の分泌腺があるところで、興奮したときなどに毛が逆立って見えやすくなりますが、ふだんは目立たないこともあります。
ハイラックスの仲間の中では最も小さく、ケープハイラックスと並ぶとひと回り華奢で顔立ちもシャープです。
キボシイワハイラックスは分類上はゾウに近い動物とされていて、さらに骨格はサイに、胃のつくりはウマに似ていると言われます。
とくにオスは前歯(切歯)が牙のように発達していて、これも小さなゾウの牙のようなものです。
足の裏は毛がなく、汗のような分泌物で常に湿っていて、吸盤のように岩に張り付くことができます。おかげで、つるつるした急な岩場もすばやく登り降りできます。
キボシイワハイラックスの性格・行動の特徴
キボシイワハイラックスは昼行性で、1頭のオスを中心とした家族群(コロニー)で岩場に暮らします。野生ではケープハイラックスと同じ岩場で混ざり合って群れをつくることもあります。
体温調節がやや苦手なため、朝は仲間と身を寄せ合って岩の上で日光浴をして体を温め、暑い日中は岩のすきまに入って涼みます。動物園でかたまってじっとしているのは、こうした習性によるものです。
オスはのど元の袋(喉頭嚢)が発達していて、縄張りを主張するときなどに大きな声で鳴き、歌うようなさえずりを聞かせることもあります。また、群れで決まった場所を「共同トイレ」にする習性もあります。
キボシイワハイラックスの食べ物・好物
キボシイワハイラックスは植物食で、野生では木や低木によじ登り、葉を中心に食べます。
同じ岩場にすむケープハイラックスが地面の草を多く食べるのに対して、キボシイワハイラックスは木の葉を好むため、食べ物の取り合いになりにくいと考えられています。草や果実、木の芽なども食べます。
動物園では、葉物野菜や牧草、草食動物用のペレットなどが与えられています。
キボシイワハイラックスは食べ物から十分な水分をとれるため、水を飲む姿はほとんど見られません。また、前歯ではなく奥歯を使って横向きに葉を噛みちぎる、独特の食べ方をします。
体温調節のために日光浴をする習性があるので、朝の開園直後、日当たりのよい岩の上で仲間とかたまっている姿が観察のねらい目です。反対に暑い日中は物陰に隠れてしまうことが多くなります。
ごかつら池どうぶつパークではケープハイラックスと見比べることができるので、体の大きさや顔つきの違いを見比べてみると面白いです。
まとめ
キボシイワハイラックスがいる動物園を全国2園紹介しました。関東(埼玉)と東海(三重)にエリアが分かれているので、お住まいの地域や旅行の計画にあわせて選んでみてください。
埼玉県こども動物自然公園は国内で唯一繁殖を続けてきた歴史ある園、ごかつら池どうぶつパークはそこから巣立った3頭が暮らす新しい飼育園です。
訪問前には、飼育頭数や展示状況が変わっている場合があるので、各動物園の公式サイトで最新情報を確認してから出かけましょう。

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