上野動物園のリーリー、シンシン、シャオシャオ、レイレイ、和歌山アドベンチャーワールドの良浜(らうひん)、楓浜(ふうひん)、彩浜(さいひん)。
日本の動物園で暮らしてきたパンダたちは、みんなとっても呼びやすくてかわいい名前を持っていました。
2026年1月、上野動物園のシャオシャオとレイレイが中国へ返還されたのを最後に、日本の動物園からジャイアントパンダがいなくなりました。50年以上にわたる日本のパンダ飼育の歴史は、いったん幕を閉じています。
この記事では、上野動物園・アドベンチャーワールド・神戸市立王子動物園の3園に加えて、博覧会や記念行事で短期間だけ展示されたパンダも含めて、これまで日本で暮らした歴代パンダの名前を全部まとめて紹介します。
日本の歴代パンダの名前一覧
日本でパンダを長期飼育してきたのは、上野動物園(1972年〜2026年1月)・アドベンチャーワールド(1994年〜2025年6月)・神戸市立王子動物園(2000年〜2024年3月)の3園です。
2025年6月にアドベンチャーワールドの4頭が、2026年1月に上野動物園の双子シャオシャオ・レイレイが中国へ返還されたことで、2026年10月現在、日本国内のパンダ飼育頭数はゼロという、1972年以来初めての状況になっています。
ここでは、この3園に加え、福岡市動物園や1988年の瀬戸大橋開通記念展示など、短期間だけ日本にやってきたパンダも含めて、名前のない1頭を含む歴代47頭を動物園やイベント別に一覧で紹介します。
上野動物園|歴代パンダの名前一覧
上野動物園で暮らした歴代パンダ14頭の名前をご紹介します。
上野動物園のパンダの名前は『カタカナ表記』が基本ですが、他に『漢字表記』や『アルファベット表記』も決められています。
2012年には、リーリーとシンシンの間にオスの赤ちゃんが誕生しましたが、生後数日で死亡したため名前が付けられていません。
名前がある14頭にこの1頭を加えた15頭が、これまで上野動物園で過ごしたことになります。
| 名前 | 漢字 | 英語表記 | 性別 | 来園or誕生年 | 現在 |
|---|---|---|---|---|---|
| カンカン | 康康 | Kang Kang | オス | 1972年来園 | 死亡 |
| ランラン | 蘭蘭 | Lan Lan | メス | 1972年来園 | 死亡 |
| ホァンホァン | 歓歓 | Huan Huan | メス | 1980年来園 | 死亡 |
| フェイフェイ | 飛飛 | Fei Fei | オス | 1982年来園 | 死亡 |
| チュチュ | 初初 | Chu Chu | オス | 1985年 上野生まれ | 死亡 |
| トントン | 童童 | Tong Tong | メス | 1986年 上野生まれ | 死亡 |
| ユウユウ | 悠悠 | You You | オス | 1988年 上野生まれ | 死亡 |
| リンリン | 陵陵 | Ling Ling | オス | 1992年来園 | 死亡 |
| シュアンシュアン | ― | Shuan Shuan | メス | 2003年来園 | 死亡 |
| リーリー | 力力 | Ri Ri | オス | 2011年来園 | 中国 |
| シンシン | 真真 | Shin Shin | メス | 2011年来園 | 中国 |
| シャンシャン | 香香 | Xiang Xiang | メス | 2017年 上野生まれ | 中国 |
| シャオシャオ | 暁暁 | Xiao Xiao | オス | 2021年 上野生まれ | 中国 |
| レイレイ | 蕾蕾 | Lei Lei | メス | 2021年 上野生まれ | 中国 |
_panda-14-300x158.png)
アドベンチャーワールド|歴代パンダの名前一覧
続いては、和歌山県のアドベンチャーワールドで暮らした歴代パンダ20頭の名前です。
アドベンチャーワールドは1994年に中国と世界初の共同繁殖研究をスタートさせた施設で、歴代20頭のうち17頭がこの地で生まれ、そのほとんどがオスの永明(えいめい)の子どもです。
動物園の紹介文や公式SNSでは基本的に『漢字表記』が用いられている点は、上野動物園との違いです。
| 名前 | よみ | 性別 | 来園or誕生年 | 現在 |
|---|---|---|---|---|
| 蓉浜 | ようひん | メス | 1994年来園 | 死亡 |
| 永明 | えいめい | オス | 1994年来園 | 死亡 |
| 梅梅 | めいめい | メス | 2000年来園 | 死亡 |
| 良浜 | らうひん | メス | 2000年 和歌山生まれ | 中国 |
| 雄浜 | ゆうひん | オス | 2001年 和歌山生まれ | 中国 |
| 隆浜 | りゅうひん | オス | 2003年 和歌山生まれ | 中国 |
| 秋浜 | しゅうひん | オス | 2003年 和歌山生まれ | 中国 |
| 幸浜 | こうひん | オス | 2005年 和歌山生まれ | 中国 |
| 愛浜 | あいひん | メス | 2006年 和歌山生まれ | 中国 |
| 明浜 | めいひん | オス | 2006年 和歌山生まれ | 中国 |
| 梅浜 | めいひん | メス | 2008年 和歌山生まれ | 中国 |
| 永浜 | えいひん | オス | 2008年 和歌山生まれ | 中国 |
| 海浜 | かいひん | オス | 2010年 和歌山生まれ | 中国 |
| 陽浜 | ようひん | メス | 2010年 和歌山生まれ | 中国 |
| 優浜 | ゆうひん | メス | 2012年 和歌山生まれ | 中国 |
| 桜浜 | おうひん | メス | 2014年 和歌山生まれ | 中国 |
| 桃浜 | とうひん | メス | 2014年 和歌山生まれ | 中国 |
| 結浜 | ゆいひん | メス | 2016年 和歌山生まれ | 中国 |
| 彩浜 | さいひん | メス | 2018年 和歌山生まれ | 中国 |
| 楓浜 | ふうひん | メス | 2020年 和歌山生まれ | 中国 |
「蓉浜と陽浜」(ようひん)、「雄浜と優浜」(ゆうひん)、「明浜と梅浜」(めいひん)のように「漢字は違うけど同じ読みの名前」が複数あるところが面白いところです。
_panda-9-300x158.png)
神戸市立王子動物園|歴代パンダの名前一覧
神戸市立王子動物園で暮らした歴代パンダは3頭です。
パンダがやってきたのは2000年、阪神・淡路大震災からの復興のさなかのことで、日中共同研究のために中国からオスとメスが1頭ずつ来園しました。
3頭とも中国からやってきたパンダで、それぞれ中国で付けられた名前がありましたが、日本にやってきたタイミングで新しい名前が付けられました。
| 名前 | よみ | 中国名 | 性別 | 来園or誕生年 | 現在 |
|---|---|---|---|---|---|
| 旦旦 | タンタン | 爽爽 | メス | 2000年来園 | 死亡 |
| 興興(初代) | コウコウ | 錦竹 | オス※ | 2000年来園 | 2002年 中国へ |
| 興興(2代目) | コウコウ | 龍龍 | オス | 2002年来園 | 死亡 |
オスとしてやってきた初代と、2代目が同じ名前なのは面白いですね。
タンタンは2024年3月に心臓の病気のため28歳で亡くなり、約24年間続いた王子動物園のパンダ飼育に幕が下りました。
2025年6月には、剥製・骨格標本となったタンタンが中国へ返還されています。
_panda-43-300x158.png)
短期展示のパンダ(福岡市動物園・ポートピア’81・池田動物園ほか)
上野動物園・アドベンチャーワールド・神戸市立王子動物園の3園は、中国と長期契約を結んでパンダを飼育してきました。
一方で、それ以外にも博覧会や記念行事にあわせて数か月だけパンダが日本にやってきたケースが5回あります。
- 1980年の福岡市動物園
- 1981年の上海雑技団の日本巡業
- 1981年の神戸「ポートピア’81」
- 1988年の池田動物園(岡山県)・函館EXPO’88・アドベンチャーワールドの巡回展示
- 1989年の「こうふ博’89」(山梨県甲府市)
友好都市締結の記念や博覧会、橋やトンネルの開通記念などにあわせて、中国から特別にやってきたパンダたちでした。
短期間だけ日本に滞在した9頭を紹介します。
| 名前 | 性別 | 展示施設 | 展示期間 |
|---|---|---|---|
| シャンシャン(珊珊)※ | オス | 福岡市動物園 | 1980年4〜5月(約2か月) |
| パオリン(宝玲) | メス | 福岡市動物園 | 1980年4〜5月(約2か月) |
| ウェイウェイ(偉偉) | オス | 上海雑技団の巡業 (大阪・横浜・東京など全国) | 1981年1〜5月 |
| ロンロン(蓉蓉) | メス | 神戸「ポートピア’81」 | 1981年(約6か月) |
| サイサイ(寨寨) | オス | 神戸「ポートピア’81」 | 1981年(約6か月) |
| シンシン(辰辰)※ | オス | 池田動物園→函館EXPO’88 →アドベンチャーワールド | 1988年〜1989年1月 |
| ケイケイ(慶慶) | メス | 池田動物園→函館EXPO’88 →アドベンチャーワールド | 1988年〜1989年1月 |
| トントン(東東)※ | オス | こうふ博’89 (遊亀公園附属動物園) | 1989年9〜11月(約2か月) |
| ビンビン(冰冰) | メス | こうふ博’89 (遊亀公園附属動物園) | 1989年9〜11月(約2か月) |
福岡市動物園には、広州市と福岡市の友好都市締結1周年を記念して2頭が「友好親善使節」としてやってきました。
公開期間はわずか2か月でしたが、87万人以上が来園する記録的な盛況ぶりだったそうです。
ウェイウェイは、上海雑技団の一員として来日した「曲芸パンダ」です。でんぐり返しや滑り台などの芸を披露しながら、1981年1月から5月にかけて大阪・横浜・東京など全国を巡業しました。
神戸の人工島で開かれた地方博覧会「ポートピア’81」では、天津動物園のパンダ舎を参考にした専用の「パンダ館」を建設。
天津動物園と王子動物園のスタッフが協力して飼育にあたりました。
1988年の辰辰・慶慶は、岡山県の池田動物園→北海道の「函館EXPO’88」→和歌山県のアドベンチャーワールドと全国を巡回した珍しいパンダです。1989年1月に中国へ帰国しました。
1989年には、甲府市の市制100周年を記念した「こうふ博’89」にあわせて、友好都市の成都市から東東・冰冰の2頭がやってきて、甲府市の遊亀公園附属動物園で約2か月間展示されました。
_panda-300x158.png)
パンダの名前の決め方は動物園によって違う?
ここまで日本の歴代パンダの名前を総まとめしてきました。
一覧表を見ると、上野動物園や王子動物園は「漢字2文字の繰り返し」、和歌山アドベンチャーワールドは「〇浜」で統一されていて、動物園ごとに特徴があります。
実際、それぞれの動物園ではどのようにパンダの名前を決めていたのでしょうか?
ここからは各動物園の名付けのルールや名前の決め方についてまとめます。
上野動物園はカタカナ名を公募
シャンシャン、シャオシャオ、レイレイなど、上野動物園で生まれたパンダの名前は公募で決められます。
集めた名前候補のうち応募が多かったもののなかから、選考委員会の検討や所有権を持つ中国への意向確認を経て最終決定されるのです。
ちなみに応募できるのは「カタカナ名」だけで、漢字やアルファベット表記は選考委員会が後から決定します。
上野動物園の歴代パンダは「同じ音を2回繰り返す」中国っぽい名前になっていますが、繰り返さなければいけないというルールはありません。
初代パンダのカンカンとランランが繰り返しの名前だったことや、覚えやすさ&呼びやすさなどから、結果的に繰り返しの名前が続いているようです。
和歌山アドベンチャーワールドの大家族「浜家」
和歌山アドベンチャーワールド生まれのパンダたちも、2005年に生まれた「幸浜(こうひん)」以降は公募で名前が決められています。
最大の特徴は、永明(えいめい)・梅梅(めいめい)以外の全員の名前が「〇浜」で統一されていること。
名前にちなんで、アドベンチャーワールドのパンダファミリーは「浜家」(はまけ)という愛称で親しまれていました。
「浜」はアドベンチャーワールドの所在地の白浜町の「浜」から取ったもの。
上野動物園と同じように、「『浜』の字を入れなければいけない」というルールはありませんが、「〇浜」の名前に愛着を持っているファンが多く、自然と応募が集まったようです。
神戸市立王子動物園のパンダに復興の願いを込めて
王子動物園のパンダには、中国から日本にやってきたときに改めて公募で名前が付けられました。
オスの「興興」(コウコウ)には、阪神淡路大震災からの「復興」への願いが込められています。
メスの「旦旦」(タンタン)には、「新しい世紀の幕開け」という意味を込めて「元旦」のように何かの「始まり」を表す「旦」の字が使われています。
まとめ
上野動物園・アドベンチャーワールド・神戸市立王子動物園の3園で暮らした38頭(名前のない1頭を含む)に加え、短期間だけ日本にやってきた9頭まで、日本の歴代パンダ全47頭の名前を紹介しました。
2026年1月の上野動物園の返還を最後に、日本国内のパンダは1972年以来初めてゼロになり、新たなパンダ来園の情報も発表されていません。
さびしい日々が続きますが、これまで日本で暮らしたパンダたちの名前や歩みを振り返りながら、日本のパンダ史に新たな名前が刻まれる日を楽しみに待ちましょう。
_panda-20-300x158.png)

_panda-20.png)