ぬいぐるみのようにフワフワな外見がかわいいマヌルネコですが、性格も見た目と同じようにかわいらしく、人に懐いたりするのでしょうか?
実はマヌルネコは警戒心がとても強く、見た目に反して気性の荒い生き物です。
この記事では、マヌルネコの性格の特徴や、人になつくのかどうかについて解説します。
また、マヌルネコがなぜ「世界一不機嫌な猫」と呼ばれるのか、その理由も紹介します。
さらに、日本の動物園で暮らす個々のマヌルネコたちの、性格や個性が分かるエピソードも紹介します。
私が実際に動物園に行ってマヌルネコを見たときの感想も交えてお伝えするので、参考になればうれしいです。
マヌルネコはどんな性格?3つの特徴
マヌルネコは群れをつくらず、基本的に1頭で暮らす動物です。
見晴らしのよい草原や岩場では、空からワシなどの猛禽類に狙われるため、野生のマヌルネコはとても用心深く暮らしています。
動物園で暮らすマヌルネコにも、こうした野生の性格がそのまま残っています。
マヌルネコの性格には、次の3つの特徴があります。
- 警戒心が強く、隠れるのが得意
- 凶暴・気性の荒い一面も
- 特に子ども時代は好奇心旺盛
①警戒心が強く、隠れるのが得意
マヌルネコの性格でいちばんの特徴は、警戒心がとても強いことです。
速く走るのは苦手なので、危険を感じたときは地面に腹ばいになってじっと動かず、周りの景色に溶け込んでやり過ごそうとします。
旭山動物園にいるマヌルネコのグルーシャも、警戒心が強く、高い場所でじっと動かないことが多いと紹介されています。
また、私が上野動物園で見たマヌルネコは、食事の用意や掃除のために飼育員さんが展示場に入ると物陰にサッと隠れたり、じっと様子をうかがったりしていました。
動物園で姿が見えないときは、岩かげや高い場所から、こちらを観察しているのかもしれません。
②凶暴・気性の荒い一面も
①のように用心深く臆病な一方で、マヌルネコは、身の危険を感じたときや、狩りのときなどには、獰猛で気性の荒い一面を見せます。
マヌルネコはイエネコと同じくらいの大きさですが、獲物を狩って暮らす肉食動物です。
那須どうぶつ王国は公式のSNSで、マヌルネコを「かわいい見た目とは裏腹にどう猛な性格」だと紹介しています。
上の動画のように、鶏の頭を骨ごとかみ砕いて食べてしまうほど、あごの力も強い動物です。
私は、那須どうぶつ王国や神戸どうぶつ王国で当時ペアで飼育されていたオスとメスが、ケンカのようなやりとりをしている場面を見たことがあります。
歯をむき出しにして威嚇したり、ネコパンチを繰り出したりと、ふだんのじっと動かない姿からは想像できない迫力でした。
また、那須どうぶつ王国ではおやつタイムに立ち会ったこともありますが、肉にかぶりつく姿からも、肉食動物らしい野性味を感じました。
③特に子ども時代は好奇心旺盛
警戒心の強いマヌルネコですが、子どものころは好奇心いっぱいに動き回る姿が見られます。
神戸どうぶつ王国で2026年5月に生まれた赤ちゃんたちは、公開されてすぐはそわそわしていましたが、慣れると好奇心旺盛に走り回っていました。
母親のアズやきょうだいとじゃれ合う姿は、子猫ならではです。
好奇心の強さには個体差があるようで、埼玉県こども動物自然公園のロータスは、おとなになっても好奇心旺盛に周囲の景色を観察する姿などがたびたび目撃されています。
マヌルネコは人になつく?
イエネコと似たかわいい見た目をしていても、野生動物であるマヌルネコは、ペットのように人になつくことはありません。
那須どうぶつ王国では、マヌルネコ担当の飼育員さんがマヌルネコと直接触れ合うことがないような飼育方法がとられています。
どう猛な性格やエサを骨ごと食べるアゴの力の強さなどから、万が一かまれると軽いけがでは済まない可能性があるためです。
例えばおやつタイムの時は、飼育員さんがガラス越しにエサを差し出すことで、直接触れ合わない安全な形で行われています。
もちろん、家庭でマヌルネコを飼うこともできません。
_panda-58-300x158.png)
「世界一不機嫌な猫」と呼ばれる理由

マヌルネコは、じっと動かずこちらをにらみつけるような表情から、「世界一不機嫌な猫」と呼ばれることがあります。
アメリカのスミソニアン国立動物園も、マヌルネコを紹介する記事のタイトルで「Grumpy(不機嫌な)」という言葉を使っています。
ただし、顔だちのせいで不機嫌そうに見えるだけで、いつも怒っているわけではないと考えられます。
マヌルネコの目はモフモフの毛に埋もれて実際よりも小さく、人相が悪いように見えやすいのです。
また、おでこには黒い斑点、目の下には目力を強調するアイラインのような模様があり、このせいで表情に睨みつけているような迫力が加わっています。
さらに、マヌルネコの瞳孔は、明るいところでもイエネコのように縦に細くならず、丸いまま小さな点になります。
針のように小さな瞳でじっと見つめられると、感情が感じられず怒っているように感じるのかもしれません。
_panda-55-300x158.png)
日本の動物園のマヌルネコたちの性格が分かるエピソード集
同じマヌルネコでも、1頭1頭の性格はさまざまです。
動物園や報道で紹介されたエピソードと、私が見た様子を、動物園ごとに表にまとめました。
(動物園名から、各園の展示場所や見どころを紹介した記事に飛ぶことができます。)
| 名前 | 動物園 | 性格・エピソード |
|---|---|---|
| グルーシャ | 旭山動物園 | 警戒心が強く、高い場所でじっと動かないことが多い |
| ヒデ | 旭山動物園 | マイペースで穏やか。グルーシャが降りない段差も飛び降り、となりのレッサーパンダにも興味津々 |
| ボル | 那須どうぶつ王国 | 落ち着いた性格で、気の強いポリーとは対照的(2025年に死亡) |
| ポリー | 那須どうぶつ王国 | 気が強く、ボルとの暮らしではたびたび「バトル」が起きていた(2025年に死亡) |
| レフ | 那須どうぶつ王国 | お客さんの近くをうろうろして、愛嬌を振りまいているようだった(2025年に死亡) |
| ナゴム | 那須どうぶつ王国 | 小さいときからどっしりした性格で、飼育員さんが和まされることも多かった |
| タビー | 埼玉県こども動物自然公園 | マヌルロックに初めて出たときは、3頭の中でいちばん警戒心が強く、慣れるのに時間がかかった(2025年に死亡) |
| ロータス | 埼玉県こども動物自然公園 | 好奇心旺盛で、室内と外を元気よく行き来する |
| オト | 埼玉県こども動物自然公園 | 赤ちゃん時代、ほかの子に飛びかかったり、元気よく鳴いたりしていた |
| ノブ | 東山動植物園 | ビビりで、きょうだいとよく一緒にいた |
| ヤス | 東山動植物園 | 勝気で、3兄弟でいちばん好奇心が旺盛。柵をよじ登る |
| メイ | ごかつら池どうぶつパーク | 小さいころから勢いがあって目立ち、天真爛漫な明るさがあった |
| テル | 神戸どうぶつ王国 | 内気だったが、展示練習ではいちばん活発に動き回った(2025年に死亡) |
| サン | 神戸どうぶつ王国 | 元気いっぱい |
| ナギ | 神戸どうぶつ王国 | マイペース |
| コモレビ | 神戸どうぶつ王国 | 食いしん坊 |
| ボノ | 神戸どうぶつ王国 | 兄弟大好き |
| ハク | 神戸どうぶつ王国 | 負けず嫌い |
神戸どうぶつ王国で2024年に生まれたナゴム・オト・メイ・テルの4頭は、子どものころの性格や様子から名前が付けられました。
2026年に生まれた5頭も、神戸どうぶつ王国が1頭ずつ性格を紹介していて、きょうだいでも個性がはっきり分かれています。
私も実際に動物園に見に行って、マヌルネコたちの個性を強く感じるシーンがたくさんありました。
那須どうぶつ王国へ見に行った日のポリーは、ケンカや威嚇ばかりしていて、とても気が強そうに見えました。
また、神戸どうぶつ王国のナルは、私が行ったときはほとんどずっと寝ていて、のんびりした印象でした。
動物園で会うときは、どのマヌルネコがどんな性格なのかを想像しながら見てみると、楽しみがぐっと広がっておすすめです。
_panda-12-300x158.png)
まとめ
マヌルネコの性格の特徴や、「世界一不機嫌な猫」と呼ばれる理由について解説しました。
マヌルネコは警戒心がとても強く、危険を感じると岩に伏せて動かずにやり過ごす、用心深い性格です。
見た目に反して気性は荒く、飼育員さんでも直接触ることはできない、人になつかない野生動物です。
不機嫌そうに見えるのは、顔のつくりによるもので、怒っているわけではないと考えられます。
動物園のマヌルネコたちも、ビビりや負けず嫌い、マイペースなど、1頭1頭に個性があります。
ぜひ動物園で、マヌルネコの性格や個性を観察してみてください。

