ジャイアントパンダといえば、白と黒のツートンカラー。でも、どうしてパンダはあんな模様をしているのでしょうか?
長いあいだ謎とされてきましたが、最近の研究で、白黒模様は「敵から隠れるための保護色」と「仲間とのコミュニケーション」に役立っていることが分かってきました。
この記事では、パンダの体のどの部分が白でどの部分が黒なのかという基本を確認したうえで、白黒模様の理由についての最新研究、模様の個体差、赤ちゃんパンダの体の色も解説します。
茶色いパンダや真っ白なパンダといった、珍しい色のパンダも紹介しますよ!
パンダの体で黒いのはどこ?
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まずは、パンダの体のどこが黒くて、どこが白いのかを確認しておきましょう。
| 黒い部分 | 目の周り、耳、鼻先、肩から前足(背中に帯のようにつながる)、後ろ足 |
|---|---|
| 白い部分 | 顔、首、おなか、背中の後ろ半分、お尻、しっぽ |
よく見ると、体の大部分は白で、黒いのは顔のパーツと手足、肩まわりだけだと分かります。
意外と間違えやすいのが、しっぽの色です。パンダのキャラクターではしっぽが黒く描かれることも多いのですが、本物のパンダのしっぽは白なんです。
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パンダが白黒の理由:最新研究で分かってきたこと
白と黒がこれほどはっきり分かれた模様は、哺乳類のなかでもとても珍しいものです。
そのため、パンダがなぜ白黒なのかは、長いあいだ研究者のあいだでも謎とされてきました。
その謎に答えを出そうとしたのが、2017年にアメリカの研究チームが発表した研究と、2021年にイギリスや中国の研究チームが発表した研究です。
2つの研究から見えてきたのは、白黒模様には「体を隠す」役割と「仲間に合図を送る」役割の両方があるということです。順番に見ていきましょう。
白い部分は雪、黒い部分は日陰にまぎれる「保護色」
2017年、アメリカのカリフォルニア大学デービス校などの研究チームは、パンダの体の部分ごとの色と、ほかの肉食動物の毛の色を比べて分析しました。
その結果、パンダの顔・首・おなか・お尻などの白い部分は、雪の積もった場所で目立たなくする役割、手足の黒い部分は、森の日陰で目立たなくする役割があると考えられることが分かりました。
パンダが暮らす中国の山岳地帯は、冬には雪が積もり、夏には木々が茂って日陰の多い森になります。
1つの体で、雪の中でも森の中でも目立ちにくくするために、白と黒の2色が組み合わさったと考えられているのです。
遠くから見ると、体の輪郭がぼやけて見える
2021年には、イギリスのブリストル大学や中国科学院などの研究チームが、野生のパンダを生息地で撮影した写真を画像解析で調べ、白黒模様が本当に保護色として働いているかを確かめました。
その結果、パンダの白黒模様は、近くから見ると周りの雪や岩、木の影にまぎれ、遠くから見ると白と黒の境目が体の輪郭をくずして、パンダの形が分かりにくくなることが分かりました。
動物園では目立って見えるパンダも、自然の中ではちゃんと隠れていたのですね。
研究チームは、このような見る距離によって変わる保護色の効果を、哺乳類で初めてコンピューター解析によって確かめたとしています。
目の周りと耳の黒は「コミュニケーション」
一方、2017年の研究では、顔の黒い模様は、隠れるためではなく「合図」のためにあると考えられています。
- 黒い耳:敵に「強そうだぞ」と思わせる警告になっている可能性
- 目の周りの黒い模様:パンダどうしがお互いを見分けたり、ライバルに威嚇のサインを送ったりするのに役立っている可能性
パンダはふだん1頭で暮らしていて、仲間と顔を合わせる機会はあまり多くありません。
だからこそ、出会ったときに相手が誰か、どんな気分なのかがすぐ分かる目印が大切なのかもしれません。
白黒模様は竹の食生活が生んだ?
2017年の研究チームは、パンダが白黒の2色になった背景には、竹ばかり食べる食生活があると考えています。
栄養の少ない竹では、冬眠するほどの脂肪を体にためることができません。
そのため、パンダは冬も眠らずに1年中活動し、雪の積もる高い山から森の中まで、さまざまな環境を移動しながら暮らしています。
雪の中でも森の中でも隠れられるように、白と黒の両方が必要になった、というわけです。
なお、以前は「黒い部分が熱を吸収して体を温める」という体温調節説も知られていました。
ただ、最近の研究では、保護色とコミュニケーションの2つで説明できると考えられています。
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白黒模様には個体差がある?
どのパンダも同じ白黒模様に見えますが、実は模様には1頭ずつ個体差があります。
特に違いが出やすいのが、目の周りの黒い模様です。形が丸いか細長いか、たれ目に見えるかつり目に見えるか、大きさはどうかなど、パンダごとに少しずつ違います。
肩から背中にかけての黒い帯の幅や形も、個体によってさまざまです。
動物園でたくさんのパンダを見比べてみると、顔の印象がけっこう違うことに気づくはずです。飼育員さんや熱心なパンダファンは、こうした模様の違いで1頭1頭を見分けています。
先ほど紹介したように、目の周りの模様はパンダどうしが見分け合うのにも役立っていると考えられています。
人間だけでなく、パンダ自身も模様で相手を見分けているのかもしれませんね。
赤ちゃんはピンク色!白黒になるのはいつ?
実は、生まれたばかりのパンダの赤ちゃんは白黒ではありません。毛がほとんどなく、全身ピンク色をしています。
アドベンチャーワールドによると、赤ちゃんは生後数日でピンクの体に産毛が生えそろい、1週間ほどで白黒の模様がうっすらと現れはじめます。
上野動物園の双子のシャオシャオとレイレイも、生後2週間ほどで黒い模様がくっきりしてきました。
おもしろいのは、毛が生えそろったころの赤ちゃんの白い部分が、ピンク色に見えることがある点です。
これは、お母さんの唾液の成分によるもの。お母さんにたくさんなめてもらった証なのだそうです。
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白黒じゃないパンダもいる?
ほとんどのパンダは白黒ですが、ごくまれに、違う色のパンダも見つかっています。
有名なのが、陝西省の秦嶺(しんれい)で暮らす茶色いパンダ「七仔(チーザイ)」です。
本来黒いはずの部分が、薄い茶色をしています。七仔は、飼育されているパンダのなかでは世界でただ1頭の茶色いパンダです。
さらに2019年には、四川省の臥龍国家級自然保護区に設置したカメラが、全身が真っ白な野生のパンダをとらえました。
生まれつき色素が作られない「アルビノ」のパンダで、確認されたのは世界で初めてです。2026年5月にも、元気に暮らす姿をとらえた映像が公開されています。
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まとめ
パンダがなぜ白黒なのか、最新の研究をもとに紹介しました。
パンダの体の白い部分は雪の中で、黒い手足は森の日陰で目立たなくする保護色になっていると考えられています。
遠くから見ると、白黒の境目が体の輪郭をぼかす効果もあります。
一方、目の周りや耳の黒い模様は、仲間を見分けたり、敵やライバルに合図を送ったりするコミュニケーションに役立っている可能性があります。
白黒模様には1頭ずつ個体差があり、赤ちゃんはピンク色から少しずつ白黒になっていきます。
動物園でパンダを見るときは、ぜひ模様の微妙な違いにも注目してみてください。

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