白黒模様に丸い顔、竹をもぐもぐ食べる姿がかわいいジャイアントパンダ。でも、パンダについて意外と知らないことも多いのではないでしょうか?
実はパンダの体や暮らしには、竹を食べて生きるための、面白いひみつがたくさん詰まっています。
この記事では、パンダの特徴を「基本情報」「見た目」「体」「暮らし」「性格」「意外な特技」に分けて、子どもにも分かりやすく紹介します。
それぞれの特徴をもっと詳しく知りたい人のために、くわしい解説記事へのリンクも用意しました。気になるところから読んでみてくださいね!
パンダってどんな動物?基本情報
-1024x538.png)
まずは、ジャイアントパンダの基本情報を表にまとめました。
| 日本語名 | ジャイアントパンダ |
|---|---|
| 英語名 | Giant Panda |
| 中国語名 | 大熊猫(ダーシォンマオ) |
| 学名 | Ailuropoda melanoleuca(アイルロポダ・メラノレウカ) |
| 分類 | 食肉目クマ科ジャイアントパンダ属 |
| 大きさ | 体長120〜180cm、体重80〜120kg前後 |
| 生息地 | 中国の四川省・陝西省・甘粛省の山岳地帯 |
| 寿命 | 野生では20年ほど、飼育下では30年以上生きることも |
| 生息数 | 野生で1,864頭(2015年発表)、飼育下で808頭(2025年11月時点) |
| レッドリスト | 危急種(VU)=絶滅危惧II類 |
パンダは、ライオンやオオカミと同じ「食肉目」の仲間で、分類のうえではクマ科に入ります。
肉食動物の仲間なのに竹を主食にしている、とても珍しい動物です。
名前が似ている「レッサーパンダ」は、レッサーパンダ科の別の動物です。
体長は60cm前後と、ジャイアントパンダよりずっと小さく、赤茶色の毛と長いしっぽが特徴です。
_panda-21-300x158.png)
見た目の特徴
-1024x538.png)
パンダといえば、なんといっても白黒の模様と、まんまるな顔ですよね。
ただかわいいだけに見えるパンダの見た目にも、ちゃんとした理由があります。
ここでは、模様・しっぽ・顔・体の大きさの4つのポイントを紹介します。
「しっぽは何色?」「顔はなぜ丸いの?」など、意外と知らない答えもあるかもしれませんよ。
どれも、生きるために身につけてきた特徴ばかりです。写真や動画で見慣れたパンダの姿も、理由を知ると違って見えてきますよ。
白黒模様は「隠れるため」と「合図のため」
パンダがなぜ白黒なのかは、長いあいだ謎とされてきました。
ですが最近の研究では、白い部分は雪の中、黒い手足は森の日陰で目立たなくする保護色になっていると考えられています。
一方、目の周りや耳の黒い模様は、仲間を見分けたり、ライバルに合図を送ったりするのに役立っている可能性があります。
生まれたばかりの赤ちゃんは白黒ではなく、毛がほとんどないピンク色。1週間ほどで、少しずつ白黒の模様が現れてきます。
模様は1頭ずつ少しずつ違っていて、目の周りの模様の形でパンダを見分けることもできます。
_panda-26-300x158.png)
しっぽの色は「白」
耳や手足が黒いので、しっぽも黒だと思っている人もいるのではないでしょうか?
実は、パンダのしっぽは白です。パンダのキャラクターやイラストでは黒く描かれることも多いので、意外に感じる人も多い豆知識です。
しっぽの長さは10〜12cmほどと短く、ふだんはお尻の毛にまぎれて目立ちません。
パンダが後ろを向いたときは、ぜひしっぽにも注目してみてください。
ちなみに、レッサーパンダのしっぽは長くてふさふさで、しま模様があります。
_panda-10-300x158.png)
丸い顔は、竹をかむ筋肉のおかげ
パンダのまんまるな顔にも、ひみつがあります。
パンダは、硬い竹をバリバリかみ砕くために、あごから頭の上にかけて大きくて分厚い筋肉がついています。この筋肉が、あの丸い顔の形を作っているのです。
つまり、パンダの丸顔は「かわいく見せるため」ではなく、「竹を食べるため」の形。
目の周りの黒い模様のせいでたれ目に見えますが、実際の目は意外と小さく、鋭い目つきをしています。
顔の大きさに比べて、耳が小さく丸いのもパンダらしいポイントです。
体の大きさは大人の人間くらい
大人のパンダは、体長120〜180cm、体重は80〜120kg前後。後ろ足で立ち上がると、170cmほどの高さになります。
四つ足で歩いているときは、頭が人間の腰くらいの高さに来ます。立ち上がると大人の人間とほとんど変わらない、思った以上に大きな動物なのです。
一方、生まれたばかりの赤ちゃんの体重は150g前後しかなく、お母さんの約1,000分の1の大きさです。そこから1年で180倍以上に成長します。
小さく生まれて大きく育つのも、パンダの大きな特徴の一つです。
_panda-23-300x158.png)
体の特徴
パンダの体は、竹を食べることにとことん特化しています。
竹をつかむための手、竹をかみ砕く歯とあご。どれも、ほかのクマの仲間にはない、パンダならではの特徴です。
ここでは、パンダの体のなかでも特にユニークな「手」と「歯・おなか」のつくりを紹介します。
肉食動物の仲間でありながら、竹を食べて生きられる理由が見えてきますよ。
どちらも、動物園でパンダを見るときに注目すると、より楽しめるポイントです。
ほかのクマの仲間と比べると、その特別さがよく分かりますよ。
手には「第6の指」「第7の指」がある
パンダの指は、人間と同じ5本です。ところが前足の手首には、「第6の指」「第7の指」と呼ばれる2つの突起があります。
これは本物の指ではなく、手首の骨が大きく発達したもの。パンダは、この2つの突起と5本の指で竹をはさみ込むようにして、しっかりとつかんで食べています。
「第6の指」は、600万年前のパンダの祖先の化石にもすでにあったことが分かっています。
竹を口に運ぶときの手元をよく見ると、器用に竹を握っている様子が分かりますよ。
_panda-25-300x158.png)
頑丈な歯と、肉食動物仕様の短い腸
パンダの奥歯(臼歯)は平らで大きく、硬い竹を細かくすりつぶすのにぴったりの形をしています。
その一方で、パンダの腸は肉食動物と同じように短く、植物を消化するのは得意ではありません。食べた竹のうち、消化できているのは2割弱だけです。
そのためパンダは、竹を1日に15〜20kgほども食べて、足りない栄養をおぎなっています。
パンダが竹をかむときの「バリバリ」という音は、丈夫な歯とあごならではです。消化しきれなかった竹は、ほとんどそのままふんになって出てきます。
暮らし・生態の特徴
続いて、パンダがふだんどんなものを食べ、どこで、どんなリズムで暮らしているのかを見ていきましょう。
動物園では寝ている姿をよく見かけるパンダですが、野生では山の中を季節ごとに移動しながら、たくましく暮らしています。
食べ物・活動時間・すむ場所・家族について、ポイントをまとめました。
知れば知るほど、パンダが竹とともに生きる動物だということが分かるはずです。動物園のパンダとの違いにも注目してみてください。
主食は竹。でも実は「雑食」
パンダの食べ物の99%は笹や竹です。春のタケノコは、特別なごちそうです。
でも、パンダは肉も消化できる体を持っているので、野生では小動物や果実を口にすることもあります。
動物園では、リンゴやニンジン、「パンダ団子」なども食べています。
竹のなかでも種類や部位に好き嫌いがあるなど、実はとってもグルメな一面もあるんですよ。
パンダ団子は、トウモロコシ粉や大豆粉などを混ぜて蒸した、パンダ専用の補助食です。
こうしたおやつは、トレーニングのごほうびとしても使われています。
_panda-22-300x158.png)
夜行性ではなく、冬眠もしない
パンダは、夜行性でも昼行性でもありません。昼も夜も関係なく、「食べては寝る」をくり返し、1日のおよそ3分の2を眠って過ごします。
また、クマの仲間なのに冬眠もしません。栄養の少ない竹では、冬眠に必要な脂肪をためられないからです。
そのかわり、冬は標高の低い場所へ移動して、一年中竹を食べて暮らしています。
動物園でパンダが寝てばかりに見えるのは、怠けているからではなく、エネルギーを節約するためなのです。
_panda-29-300x158.png)
野生では中国の山奥だけに生息
野生のパンダがすんでいるのは、世界で中国だけです。四川省・陝西省・甘粛省の、標高の高い山の中にある竹林で暮らしています。
冬には雪が積もる涼しい場所なので、厚い毛皮に包まれたパンダは寒さに強い一方、暑さは苦手です。
すんでいるのは、標高およそ1,300〜3,500mほどの、竹林が広がる湿った森です。
パンダが暮らす山の一部は、世界遺産「四川ジャイアントパンダ保護区群」にも登録されています。
_panda-6-300x158.png)
ふだんは1頭で暮らし、子育てするのはお母さんだけ
パンダは群れを作らず、大人になると基本的に1頭で暮らします。
においをつけて自分のなわばりを知らせ、ほかのパンダとはあまり顔を合わせません。
恋の季節は年に1回、春ごろだけ。しかも、メスが妊娠できるのはそのうちの数日間しかありません。パンダの赤ちゃんが生まれるのは、とても貴重なことなのです。
子育てはお母さんだけで行い、子どもは1年半〜2年ほどお母さんと一緒に過ごしてから独り立ちします。
ただし最近の研究では、秋に数頭の野生のパンダが同じ場所で数週間過ごしていた例も見つかっています。
_panda-7-300x158.png)
性格・頭のよさの特徴
動物園でのんびり過ごしているイメージが強いパンダですが、本当の性格はどうなのでしょうか?
ここでは、パンダの性格と、意外な頭のよさについて紹介します。
パンダの性格は1頭1頭違っていて、それぞれに個性があります。人気者のパンダたちのエピソードもあわせて見てみましょう。
動物園で見る姿だけでは分からない、パンダの意外な一面に注目です。見た目のかわいさとのギャップに驚くかもしれませんよ。
野生のパンダの暮らしぶりからも、その性格が見えてきます。
のんびり温厚?実は気が強い一面も
パンダは、おっとりしていて温厚なイメージがありますよね。動物園で竹を食べたり、ゴロゴロ寝転んだりしている姿を見ることが多いので、そう感じるのかもしれません。
でも、パンダはクマの仲間。野生では自分のなわばりを守るために、ほかのパンダと激しく争うこともあります。
大人のパンダは力も強く、決してぬいぐるみのようにおとなしいだけの動物ではないのです。
性格には個体差もあり、のんびり屋さんもいれば、好奇心が強くやんちゃなパンダもいます。
中国では、おっとりした性格で大人気の「花花(和花)」や、柵を乗り越えた「脱走事件」で有名になった北京動物園の「萌蘭」など、性格や行動で人気者になったパンダもいます。
_panda-24-300x158.png)
場所を覚えるのが得意
のんびりしているように見えるパンダですが、実は場所を覚える力(空間記憶)にすぐれていることが分かっています。
アメリカのアトランタ動物園で行われた実験では、パンダは光った場所を覚え、時間がたってからも正しい場所を選べることが確かめられました。
広い山の中で、竹がたくさん生えている場所や、においをつけた木の場所を覚えておくのに役立っていると考えられています。
意外な特技と面白い豆知識
最後に、思わず誰かに話したくなるパンダの特技や豆知識を紹介します。
| 木登りが得意 | 鋭い爪をひっかけて、高い木にもスルスル登る。木の上で眠ることもある |
|---|---|
| 泳ぐこともできる | 犬かきのような泳ぎ方で、川を渡ることもある |
| ヤギのように「メェー」と鳴く | 恋の季節には「メェー」と呼び合い、怒ると犬のように「ワン」と吠える。赤ちゃんは「キーキー」と高い声で鳴く |
| 逆立ちでおしっこ | オスは逆立ちして、木の高い位置におしっこでにおいをつける。においを遠くまで広げて、自分のなわばりを知らせるため |
| 中国語では「大熊猫」 | 中国語でパンダは「大熊猫(ダーシォンマオ)」。台湾では「貓熊(マオシォン)」と呼ぶ |
| 茶色や白のパンダもいる | 世界でただ1頭飼育されている茶色いパンダ「七仔」や、野生で見つかった真っ白なアルビノのパンダもいる |
_panda-35-300x158.png)
のんびりしたイメージとは裏腹に、パンダは意外とアクティブな動物です。
この記事で紹介した特徴を、クイズ形式で楽しく確かめられる記事もあります。パンダ博士を目指して、ぜひ挑戦してみてください!
_panda-31-300x158.png)
パンダの数と保護
野生のパンダは、2015年に発表された調査で1,864頭。1980年代にくらべると、保護活動によって数が増えてきました。
2016年には、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで「絶滅危惧種(EN)」から「危急種(VU)」に1段階引き下げられました。
ただし、危急種も絶滅のおそれがあることに変わりはなく、今も保護が続けられています。
_panda-5-300x158.png)
なお、日本の動物園で暮らしていたパンダは、2026年1月に上野動物園の双子が中国へ渡ったことで、1972年以来初めて0頭になっています。
_panda-20-300x158.png)
まとめ
パンダの面白い特徴を、見た目・体・暮らし・性格・特技に分けて紹介しました。
白黒模様は隠れるための保護色、丸い顔は竹をかむ筋肉、「第6の指」は竹をつかむための道具。パンダのかわいい見た目には、竹を食べて生きるための工夫がたくさん隠れています。
一方で、のんびりして見えても気が強い一面があったり、場所を覚えるのが得意だったり、逆立ちでなわばりを主張したりと、意外な一面もたくさんあります。
気になる特徴があったら、ぜひ詳しい解説記事も読んでみてください。パンダのことを知れば知るほど、もっと好きになるはずです。

_panda-30.png)