パンダは夜行性?昼行性?活動時間・睡眠時間と冬眠しない理由を解説

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「動物園のパンダは、いつもゴロゴロ寝てばかり…もしかして夜行性なの?」と思ったことはありませんか?

実は、パンダは夜行性でも昼行性でもなく、昼も夜も「食べては寝る」をくり返す動物です。

1日のうち、およそ3分の2を眠って過ごしています。

この記事では、パンダの本当の活動パターンと睡眠時間、寝てばかりに見える理由を解説します。

さらに、クマの仲間なのにパンダが冬眠しない理由や、季節による暮らしの変化も紹介します。

もくじ

パンダは夜行性?昼行性?

動物園では昼間にぐっすり眠っている姿をよく見かけるので、「パンダは夜に活動するのでは?」と思われがちです。

でも実際には、パンダは昼間も夜も起きて活動します。「夜行性」でも「昼行性」でもない、パンダならではの生活リズムがあるのです。

ここでは、パンダを長く飼育してきた動物園の情報と、野生のパンダを調べた研究をもとに、パンダの本当の活動パターンを見ていきましょう。

動物園での見え方と、野生での本当の姿を比べながら確認していきます。

答えは「どちらでもない」

日本でいちばん多くのパンダを育ててきた和歌山県のアドベンチャーワールドは、パンダの活動パターンについて次のように説明しています。

ジャイアントパンダは昼行性?夜行性…?答えはどちらもNO! 1日のうち約三分の二の時間を寝て過ごすジャイアントパンダは、昼も夜も寝起きを繰り返す動物です。

出典:アドベンチャーワールド

つまりパンダは、時間帯に関係なく、眠くなったら寝て、お腹がすいたら起きて食べる、という暮らしをしているのです。

夜中でも、お腹がすけば起きて竹を食べ始めます。

【参考】動物の活動時間の3つのタイプ

ここで、動物の活動時間のタイプを整理しておきましょう。主に次の3つに分けられます。

昼行性主に昼間に活動する。人間、多くの鳥、サル、リスなど
夜行性主に夜に活動する。フクロウ、コウモリ、タヌキなど
薄明薄暮性
(はくめいはくぼせい)
主に明け方と夕暮れの薄暗い時間に活動する。ウサギ、シカなど

パンダは以前、明け方と夕方によく活動する「薄明薄暮性」に近いと考えられていました。

ところが、野生のパンダを詳しく調べた研究から、薄明薄暮性だけでは説明しきれない活動パターンが分かってきたのです。

野生のパンダは1日に3回、活発になる

アメリカのミシガン州立大学の研究チームは、中国の臥龍(がりゅう)自然保護区で、野生のパンダ5頭にGPS付きの首輪をつけて行動を追跡しました。

その結果、パンダには朝・午後・深夜の3回、活動が活発になる時間帯があることが分かりました。

研究チームのメンバーは「パンダを単純に薄明薄暮性の生き物とは言えない」と結論づけています。

朝・昼・夜を問わず、短い活動と休息をくり返しながら、1日に3回活発になる。それが、ジャイアントパンダならではの生活リズムなのです。

なぜパンダは1日中寝たり起きたりするの?

パンダは1日中寝たり起きたりを繰り返す独自の活動パターンを持つ動物。

パンダが昼も夜も寝起きをくり返す理由には、主食である笹・竹が深く関わっています。

笹や竹は一年中手に入る便利な食べ物ですが、栄養がとても少なく、消化にも時間がかかります。

そんな食べ物で生きていくために、パンダは独特の暮らし方を身につけてきました。

パンダが寝たり起きたりをくり返す理由を3つに分けて見ていきましょう。

パンダの体のつくりや、野生での暮らしとあわせて見ていくと、寝てばかりに見える理由がよく分かるはずです。

理由①栄養の少ない竹を大量に食べる必要がある

笹や竹は、動物が生きていくのに必要なタンパク質やカロリーが少ない食べ物です。

さらにパンダは、もともと肉食動物に近い体のつくりをしていて、植物を消化するのが得意ではありません。

食べた竹のうち、消化できているのは2割弱しかないといわれています。

そのため、パンダは竹を1日に15〜20kgほど(タケノコの季節には30kg以上)も食べなければなりません。

これだけの量を食べるには、昼も夜も関係なく、こまめに起きて食事をする必要があるのです。

理由②食べては休む「省エネ生活」

栄養の少ない竹で生きていくためのパンダの作戦が、「省エネ」です。

パンダは、長い時間動き続けるのではなく、「お腹がすいたら起きて食べる→食べたら休む→また起きて食べる」という短いサイクルを、1日に何度もくり返します。

なるべく体を動かさず、エネルギーを使わないようにして、竹から得たわずかな栄養を大切に使っているのです。

この「食べては休む」のくり返しが、結果的に1日3回の活動のピークを生み出していると考えられています。

理由③大人のパンダには天敵が少ない

パンダがこうした自由な生活リズムで暮らせる背景には、天敵が少ないことも関係しているかもしれません。

大人のパンダを襲う動物はほとんどいません(子どものパンダは、ヒョウやテンなどに狙われることがあります)。

多くの動物は、天敵が活動する時間帯を避けて暮らしています。でも大人のパンダは、昼でも夜でも、自分のペースで食べたり休んだりできるのです。

動物園のパンダも同じように、時間を気にせず、食べたいときに食べて、眠いときに眠っています。

パンダの睡眠時間はどれくらい?

岩の上で平べったくなって、仰向けになって、木の上で…。パンダは寝姿もユニーク。

パンダは、1日のうちおよそ3分の2を眠って過ごしています。時間にすると、1日16時間ほどです。

ただし、人間のようにまとめて長く眠るのではなく、数時間ほどの短い睡眠を1日に何度もとります。

そのため、動物園ではいつ行っても「寝てばかり」な印象を持たれやすいのです。

寝る場所や寝相もさまざまで、岩の上で平べったくなったり、仰向けで大の字になったり、木の上で器用にバランスをとって眠ったりします。

昼間に寝ているのは、怠けているのではなく、パンダらしく暮らしている証拠なのです。

パンダは冬眠しない!その理由は?

パンダはクマの仲間ですが、ヒグマやツキノワグマのように冬眠はしません。冬も起きて、竹を食べながら暮らしています。

その理由は、やはり竹中心の食生活にあります。冬眠するクマは、秋のうちにたくさん食べて体に脂肪をため、その脂肪を使って冬を乗り切ります。

ところが、栄養の少ない竹では、冬眠できるほどの脂肪をためることができないのです。

一方で、竹は冬でも枯れずに一年中手に入ります。わざわざ冬眠しなくても、食べ物に困らないことも理由の一つと考えられています。

そのかわり、野生のパンダは季節に合わせて山の中を移動します。

冬は標高1,950mより低い場所に下りて、栄養のある竹の茎を食べ、夏は涼しい標高2,160mより高い場所へ移動するといわれています。

季節によって活動は変わる?

冬眠こそしないものの、パンダの暮らしは季節によって少しずつ変わります。

春恋の季節。オスがメスを探して動き回る。タケノコが生え始めると、低い場所から順に生えるタケノコを追って山を登っていく
夏暑さが苦手なため、涼しい標高の高い場所で過ごす
秋野生のパンダが数週間、同じ場所に集まって過ごしていたという研究もある
冬標高の低い場所へ下りる。寒さには強く、雪の中でも活動する

パンダは、もともと涼しい山の上で暮らす動物です。厚い毛皮に包まれているので寒さには強い一方、暑さは苦手です。

動物園でも、暑い夏の昼間は冷房の効いた室内で休んでいることが多くなります。反対に、雪の日には外で元気に遊ぶ姿が見られることもありますよ。

活発なパンダに会えるのは何時ごろ?

寝ている姿もかわいいとはいえ、せっかくパンダに会いに行くなら、竹を食べたり遊んだりしている姿も見たいですよね。

起きているパンダに会える可能性がいちばん高いのは、朝の時間帯(開園直後〜午前中)です。

アメリカのスミソニアン国立動物園も、パンダは朝のうちに活発なことが多いため、午前中の訪問をすすめています。

朝は、新しい竹が用意されて食事をしていることが多い時間です。

中国の成都ジャイアントパンダ繁育研究基地でも、パンダがよく動くのは午前中で、午後は昼寝をしていることが多いといわれています。

なお、日本の動物園で暮らしていたパンダは、2026年1月までに全頭が中国に返還され、今は日本でパンダに会うことはできません。

おまけ:レッサーパンダの活動時間は?

最後に、名前が似ている「レッサーパンダ」の活動時間にも触れておきましょう。

調べてみると、レッサーパンダの活動パターンも、はっきりとは決まっていないようです。

たとえば、札幌市円山動物園はレッサーパンダを夜行性の動物として紹介しています。

一方、静岡市立日本平動物園は「薄明薄暮性で、明け方と夕方に活発になる」と説明しています。

動物園では人間の生活に合わせて暮らしているため、夕方早めに寝始めることが多く、1日に最大17時間ほど眠るともいわれています。

ジャイアントパンダとは違うものの、レッサーパンダもまた独自の生活リズムを持っているようです。

まとめ

パンダの活動時間について、「夜行性なの?」という疑問から解説してきました。

ジャイアントパンダは夜行性でも昼行性でもなく、昼も夜も「食べては寝る」をくり返す動物です。

1日のおよそ3分の2を眠って過ごし、野生では朝・午後・深夜の3回、活動が活発になります。

このリズムは、栄養の少ない竹を大量に食べながら、エネルギーを節約するための作戦です。

同じ理由で、パンダはクマの仲間なのに冬眠せず、季節に合わせて山の中を移動しながら暮らしています。

起きているパンダに会いたいなら、ねらい目は朝の時間帯です。のんびり竹を食べる姿も、気持ちよさそうな寝姿も、どちらもパンダの魅力ですね。

参考サイト・参考文献一覧
・ウィンターナイトはパンダも夜更かし?ジャイアントパンダ 運動場にて夜まで公開!|アドベンチャーワールド
・Pandas set their own pace, tracking reveals|Michigan State University
・A peek at the secret life of pandas|Michigan State University
・Why pandas are black and white|ScienceDaily
・Ailuropoda melanoleuca (Giant panda)|International Association for Bear Research and Management
・Giant Panda FAQs|Smithsonian’s National Zoo
・熊猫基地什么时候去最好|成都本地宝
・ジャイアントパンダとは|ZUKAN(図鑑)
・レッサーパンダ|札幌市円山動物園
・静岡市立日本平動物園 公式X(2022年9月12日)

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この記事を書いた人

大好きなパンダとマヌルネコについて日々学び続ける勉強熱心なパンダです。私と同じように動物好き、動物園好きな方の役に立つ情報を発信したいと思い、このサイトを立ち上げました!

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