パンダの寿命は何年?野生と飼育下の違い・世界最高齢のギネス記録・人間換算まで解説

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ジャイアントパンダの平均寿命は20〜30年ほどで、30歳を超えれば長寿といわれています。

野生の厳しい環境では20年前後、動物園などの飼育下では手厚いケアによって20〜30年ほど生きるのが一般的です。

この記事では、野生と飼育下での寿命の違いとその理由、ギネス記録に認定された世界最高齢のパンダや今も元気な36歳のパンダ、日本で暮らした長寿パンダたちを紹介します。

また、パンダの年齢を人間に換算すると何歳になるのかも合わせて記載しています。

さらに、赤ちゃんから高齢期までのパンダの一生の流れや、高齢のパンダに多い病気、動物園での高齢パンダのケアまで、パンダの寿命にまつわる情報をまとめて解説します。

もくじ

パンダの寿命は平均何年?野生と飼育下の違い

ジャイアントパンダの寿命は、野生で暮らしているか、動物園などで飼育されているかによって大きく変わります。

全体としての平均寿命は20〜30年ほどです。

そのうえで、野生のパンダは20年前後、飼育下のパンダは20〜30年ほど生きることが多く、飼育下のほうが長生きする傾向があります。

野生のパンダ20年前後
飼育下のパンダ20〜30年ほど
長寿の目安30歳以上
最高齢記録38歳(香港海洋公園の佳佳)
※寿命には個体差があり、数値はあくまで目安です

ここからは、野生と飼育下でそれぞれどれくらい生きるのか、なぜ差が生まれるのかを詳しく見ていきましょう。

野生のパンダの寿命

中国の山岳地帯で暮らす野生のジャイアントパンダの寿命は、20年前後といわれています。

野生のパンダは、標高の高い寒い竹林で、1日の大半を竹を食べることに費やしながら暮らしています。
竹は栄養が少ないため、たくさん食べ続けなければ体を維持できません。

竹が一斉に枯れる時期には食べ物不足に陥ることもあるうえに、ケガや病気をしても治療を受けることはできません。

また、小さな赤ちゃんや子どものうちは、ヒョウやドール、テンの仲間などの天敵に襲われる危険もあります。

こうした厳しい環境のなかで生きているため、野生のパンダは飼育下のパンダに比べて寿命が短くなりやすいのです。

動物園(飼育下)のパンダの寿命

動物園や繁殖研究施設など、飼育下で暮らすパンダの寿命は20〜30年ほどです。

30歳を超えるパンダは「長寿パンダ」として注目されるほどで、なかには35歳以上まで生きた例もあります。

飼育下のパンダが長生きしやすい主な理由は、次のとおりです。

  • 新鮮な竹やタケノコ、栄養を補う専用の食べ物を毎日十分に与えられる
  • 天敵に襲われる心配がない
  • 獣医師による定期的な健康チェックを受け、病気やケガをしても治療を受けられる
  • 冷房の効いた室内など、暑さに弱いパンダに合わせた環境が整えられている

このように、食事・安全・医療・環境のすべてが整っていることが、飼育下のパンダの長寿を支えています。

パンダの年齢を人間に換算すると何歳?

一般的に、パンダの1歳は人間の約3歳分に相当するといわれています。

この目安で計算すると、平均寿命にあたる20〜30歳のパンダは人間の60〜90歳くらい。

世界最高齢の38歳のパンダは、人間なら114歳まで生きたことになります。

パンダの年齢人間に換算した年齢
1歳約3歳
5歳約15歳
10歳約30歳
20歳約60歳
30歳約90歳
38歳約114歳
※「パンダの1歳=人間の約3歳」として計算した目安です

高齢のパンダについては「28歳で人間の100歳近く」と紹介されることもあり、換算のしかたには幅があるので、上記はあくまでも目安としてご覧ください。

パンダの長寿記録(世界・日本)

平均寿命は20〜30年ほどのジャイアントパンダですが、なかには平均を大きく上回って長生きしたパンダもいます。

ここでは、ギネス世界記録に認定された世界最高齢のメスのパンダ、オスとして世界最高齢だったパンダなど、世界の長寿パンダを紹介します。

さらに、これまで日本で暮らした長寿パンダたちも一覧で振り返ります。

ギネス記録を持つ世界最高齢のパンダ「佳佳(ジアジア)」

「飼育下のパンダとして史上最高齢」のギネス記録を持つのは、香港の「佳佳(ジアジア)」で、その年齢は38歳です。

ジアジアは1978年に中国・四川省で生まれたメスのジャイアントパンダで、香港のテーマパーク「香港海洋公園(オーシャンパーク)」で暮らしていました。

37歳だった2015年に、「史上最長寿の飼育パンダ」「存命中で最長寿の飼育パンダ」としてギネス世界記録に認定されています。

しかし2016年に入ると体調が急速に悪化し、1日に10kg以上あった食事量は3kg以下にまで減ってしまいました。

そして2016年10月16日、苦しみを長引かせないよう安楽死の措置がとられ、38歳で生涯を終えました。人間に例えるとゆうに100歳を超えていたと考えられます。

オスの最高齢記録を持つ「安安(アンアン)」

オスのジャイアントパンダで世界最高齢の記録を持っていたのは、ジアジアと同じ香港海洋公園で暮らしていた「安安(アンアン)」です。

アンアンは1986年生まれ。
1999年にジアジアとともに香港へやってきて、長年にわたって人気者として親しまれました。

晩年は健康状態が悪化し、2022年7月に安楽死の措置がとられ、35歳(人間なら105歳ほど)で亡くなりました。

当時、飼育下のオスのパンダとしては世界最高齢でした。

今も元気な高齢パンダ、メキシコの「欣欣(シンシン)」

現在も存命の高齢パンダとして注目を集めているのが、メキシコシティのチャプルテペック動物園で暮らすメスの「欣欣(シンシン)」です。

シンシンは1990年7月1日、チャプルテペック動物園で生まれました。

2026年7月には36歳(人間なら108歳ほど)の誕生日を迎え、現地でお祝いのイベントが開かれました。

中国国外で暮らすパンダとしては最高齢で、現在生きている飼育下のパンダのなかでも世界最高齢クラスの長寿パンダです。

また、シンシンは中国に所有権がない世界で唯一のジャイアントパンダでもあります。

ギネス記録を持つジアジアの38歳まであと2年。シンシンの健やかな暮らしを世界中のパンダファンが見守っています。

日本のパンダ「永明(えいめい)」が持つ世界記録

日本で暮らしていたパンダのなかにも、年齢に関する世界記録を持つパンダがいます。

それが、和歌山県のアドベンチャーワールドで約28年間暮らしたオスのジャイアントパンダ「永明(えいめい)」です。

永明は1992年9月14日に中国・北京動物園で生まれ、1994年に日中共同繁殖研究のためアドベンチャーワールドへやってきました。

一般的にオスのパンダの繁殖年齢は20歳ごろまでといわれるなか、28歳だった2020年に自然交配で繁殖に成功し、「世界最高齢で自然交配による繁殖に成功した飼育下のパンダ」となりました。

このとき生まれたのが、メスの楓浜(ふうひん)です。

永明は、梅梅(めいめい)との間に6頭、良浜(らうひん)との間に10頭、合計16頭の子どもの父親になりました。

中国へ移った子どもたちもそれぞれ繁殖に成功しており、20頭以上の子孫を残しています。

2023年2月、永明は娘の桜浜(おうひん)・桃浜(とうひん)とともに中国に返還されました。

その後2025年1月に32歳(人間なら96歳ほど)で亡くなりました。

なお、アドベンチャーワールドでは2025年6月末に良浜・結浜・彩浜・楓浜の4頭が中国へ返還され、現在ジャイアントパンダは飼育されていません。

日本で暮らした長寿パンダ

1972年に上野動物園にカンカン・ランランがやってきて以来、日本ではたくさんのパンダが暮らしてきました。
そのなかでも長生きしたパンダをまとめました。

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名前動物園生没年亡くなった年齢
シュアンシュアン(メス)上野動物園1987年〜2022年35歳(メキシコ帰国後に死亡)
永明
(オス)
アドベンチャーワールド1992年〜2025年32歳(中国へ返還後に死亡)
タンタン
(メス)
神戸市立王子動物園1995年〜2024年28歳
フェイフェイ
(オス)
上野動物園1967年ごろ〜1994年27歳(推定)
ホアンホアン
(メス)
上野動物園1972年ごろ〜1997年25歳(推定)
※フェイフェイ・ホアンホアンは正確な誕生日が不明のため、推定年齢です

日本で暮らしたパンダのなかで最も長生きしたのは、35歳まで生きたシュアンシュアンです。

シュアンシュアンはメキシコのチャプルテペック動物園生まれで、上野動物園のリンリンとの繁殖のため、2003年12月から2005年9月までの約2年間上野で暮らしました。

メキシコへ帰国したあとも長生きし、2022年に35歳で亡くなっています。

長く日本で暮らしたパンダでは、アドベンチャーワールドの永明が32歳、王子動物園のタンタンが28歳まで生きました。

タンタンは亡くなった当時、国内最高齢のパンダで、2021年に加齢による心臓疾患が見つかってからも治療を続け、2024年3月に息を引き取りました。

なお、2026年1月には上野動物園のシャオシャオ・レイレイが中国へ返還され、現在、日本国内にジャイアントパンダはいません。

パンダの誕生から寿命までの一生(成長過程)

ここまでパンダの寿命や長寿記録を見てきましたが、パンダは生まれてから寿命を迎えるまで、どのような一生を送るのでしょうか?

パンダの一生を、大きく「赤ちゃん期」「子ども期」「ひとり立ち期」「大人期」「高齢期」の5つの段階に分けて解説します。

100gほどの小さな赤ちゃんが、どのように成長し、年を重ねていくのか、年齢ごとの特徴を順番に見ていきましょう。

なお、年齢の区切りは目安で、成長のスピードには個体差があります。

0〜6か月:赤ちゃんパンダ期

パンダの赤ちゃんは、体重100〜200gほどのとても小さな姿で生まれます。

お母さんパンダの体重の約1000分の1ほどしかなく、哺乳類のなかでも母親に比べて特に小さく生まれる動物です。

生まれたばかりのころは毛が少なく、体がピンク色に見えます。

生後1週間ほどで目のまわりや耳、肩のあたりが黒ずみはじめ、1か月ほどでおなじみの白黒模様がはっきりしてきます。

この時期はお母さんの母乳だけで育ち、目が開くのは生後1〜2か月ごろ。数か月たつとよちよち歩きをはじめ、少しずつ自分で動き回れるようになります。

6か月〜2歳:子どもパンダ期

生後6か月ごろになると、母乳を飲みながら少しずつ竹やタケノコを口にするようになります。

お母さんと遊んだり、木登りの練習をしたりしながら、生きていくのに必要な運動能力やバランス感覚を身につけていくのもこの時期です。

木に登ったまま寝てしまう、転がって遊ぶなど、動物園で特に人気が集まるのもこの年ごろの子パンダです。

体もぐんぐん大きくなり、生まれたときには100gほどだった体重が、1歳になるころには数十kgにまで成長します。

1歳を過ぎると竹を食べる量も増え、しだいにお母さんの母乳から離れていきます。

2〜4歳:ひとり立ち期

野生のパンダは、2歳前後でお母さんのもとを離れ、ひとりで生活するようになります。

パンダは基本的に群れを作らない動物で、繁殖や子育ての時期以外は単独で行動します。

ひとり立ちした若いパンダは、自分のなわばりを探しながら、竹林での暮らし方を身につけていきます。

動物園でも、子パンダが2歳前後になると母親と別々に暮らす「ひとり立ち」の時期を迎えます。

最初は短い時間から離して慣らしていき、徐々に完全な別居へと移っていきます。ファンにとっては少し寂しい、子パンダの成長の節目です。

4〜20歳:大人パンダ期

メスは4〜5歳ごろ、オスは6〜7歳ごろになると繁殖できる大人の体になり、繁殖活動に参加するようになります。

パンダの繁殖期は年に1回、主に春ごろに訪れます。

しかも、メスが妊娠できるのは1年のうちわずか2〜3日ほどしかなく、パンダの繁殖がとても難しいといわれる理由の一つになっています。

メスのパンダは、一般的に2〜3年に1回ほどのペースで出産し、生涯で数頭の子どもを育てます。

一度に双子が生まれることもありますが、野生では1頭しか育てられないことが多いといわれています。

20歳〜:高齢パンダ期

20歳を過ぎると、パンダは人間でいえば60歳以上の「シニア世代」に入ります。

高齢になったパンダは、寝ている時間が長くなったり、動きがゆっくりになったりと、行動に変化があらわれます。

歯がすり減って硬い竹を噛みにくくなる、食べる量が減って体重が落ちるといった変化も見られるようになります。

野生では20歳前後で寿命を迎えることが多いですが、飼育下では適切なケアを受けながら25歳、30歳と長生きするパンダも珍しくありません。

高齢パンダならではのゆったりとした姿も、多くのファンに愛されてきました。

パンダの主な死因と、動物園での高齢パンダのケア

長生きしたパンダたちも、年を重ねると人間と同じように加齢にともなう病気にかかりやすくなります。

この記事で紹介したパンダたちの最期を見ても、王子動物園のタンタンは加齢による心臓疾患が原因の衰弱、永明は多臓器不全で亡くなっています。

このように、心臓をはじめとする内臓の衰えが、高齢パンダの主な死因となっています。

また、ジアジアや永明のように、食欲が落ちて食べる量が減ることが、体調悪化のサインになることも少なくありません。

そのため動物園では、毎日の食事量や体重、フンの状態などを細かく記録し、小さな変化も見逃さないようにしています。

高齢のパンダには、やわらかい竹の葉やタケノコを中心にするなど食べやすい食事を工夫したり、室温を快適に保ったりといったケアも行われます。

タンタンの場合は心臓疾患が見つかってから約3年間、日中の専門家チームが治療を続け、最期まで穏やかに過ごせるよう手厚いケアが行われました。

まとめ

ジャイアントパンダの寿命についてまとめました。

パンダの平均寿命は20〜30年ほどで、30歳を超えれば長寿といわれています。

野生では厳しい自然環境のために20年前後、動物園などの飼育下では十分な食事や医療ケアのおかげで20〜30年ほど生きるのが一般的です。

パンダの1歳は人間の約3歳にあたり、30歳のパンダは人間なら90歳くらいになります。

世界最高齢の記録は、香港の佳佳(ジアジア)の38歳。

メキシコでは36歳の欣欣(シンシン)が、今も元気に暮らしています。

日本で暮らした永明も、28歳での自然交配による繁殖成功という世界記録を残し、32歳まで長生きしました。

現在、日本国内にパンダはいませんが、長く愛されてきたパンダたちの一生を知ると、動物園で見てきた姿がより特別なものに感じられるはずです。

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この記事を書いた人

大好きなパンダとマヌルネコについて日々学び続ける勉強熱心なパンダです。私と同じように動物好き、動物園好きな方の役に立つ情報を発信したいと思い、このサイトを立ち上げました!

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